便もれを防ぐ肛門括約筋の働き!

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便が漏れることを、専門的には便失禁【べんしっきん】と呼びます。

便が漏れる原因としては、肛門括約筋の働きが弱くなっているか、ひどい下痢などが挙げられます。

万一、便が漏れるということがあれば、それも人前で漏らしたとなれば精神的にとても辛いです。

子どもならまだしも大人になってからだとなおさらです。

しかし、最近は高齢者を中心に大人の便漏れが問題となっています。

そこには排便の調整をする肛門括約筋の働きが影響しています。

 

そこで今回はなぜ便漏れが起こるのか、肛門括約筋に的を絞ってお伝えしていきます。

 
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便漏れを防ぐ内・外肛門括約筋の働き

野生の動物と違い、人は排便を意識的にコントロールできます。

ここは用を足しても良い場所、ダメな場所というのを認識して排便行動をとります。

 

このように排便を意識的にコントロールするために、肛門の筋肉は2層構造になっています。

 

内肛門括約筋(ないこうもんかつやくきん)と外肛門括約筋(がいこうもんかつやくきん)の2つです。

括約(かつやく)というのは締めるという意味を持っています。肛門を閉める筋肉が内側と外側の2重構造になって存在しているということです。

 

このうち、内肛門括約筋は腸などの内臓の筋肉と同じ平滑筋(へいかつきん)という筋肉です。

この筋肉は意識的に動かすことができません。

しかし言い方を換えれば、意識していなくても働いていると言うこともできます。

これにより、睡眠時にも便を漏らすことはありませんし、日常生活の中で「お尻を締めなきゃ」なんて考えなくても便を漏らさずに済んでいます。

この内肛門括約筋の働きは自律神経によってコントロールされています。

 

もう1つの外肛門括約筋は肛門挙筋と狭義の外肛門括約筋に分けられます。

外肛門括約筋は意識的に収縮させたり、弛緩させることができます。

この筋肉のおかげで便意をもよおした時に、トイレにたどり着くまで我慢をしておけるのです。

 

肛門挙筋は、骨盤に付着している腸骨尾骨筋、恥骨尾骨筋、恥骨直腸筋で構成されています。

肛門を閉めるように力を入れると、お腹の方に肛門が引き込まれるようになるのは、この筋肉の働きによるものです。

3つの肛門挙筋のうち排便との関わりが特に深いのが恥骨直腸筋です。

恥骨直腸筋が収縮すると便が肛門から排泄されにくくする働きがあります。これにより便漏れは防げますが、反対にうまく緩まないと排便がスムーズに行いにくくなるのです。

 

狭義の外肛門括約筋は皮下外括約筋、浅外括約筋、深外括約筋によって構成されています。

これらは手足の筋肉と同じように横紋筋であり意識的に動かすことができます。

ですが、強く収縮させられるのは数秒にすぎません。

ですが、意識していない時にもわずかに筋活動があり便が漏れることを防いでいます。

咳、くしゃみなどをしてお腹に圧力がかかったときに、便漏れを防いでくれているのはこの筋肉の働きによるものです。

咳、くしゃみに合わせて、反射的に外肛門括約筋が収縮して漏れるのを防いでくれています。

 

ちなみに外肛門括約筋は肛門収縮練習で筋力増強が可能です。これは手足の筋肉をトレーニングするのと同じ原理です。

しかし内肛門括約筋は意識的に動かせないため鍛えることはできません。

肛門収縮練習についてはこちらをご参照ください。

参照)便漏れを防ぐ肛門収縮練習

 
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排便時の直腸、肛門の機能

ヒトは便を漏らすことなく排便できますが、それを可能にしているのは精密なシステムによるものです。

 

腸のぜん動運動により便やガスが腸内を移動すると直腸にたまっていきます。

直腸に便がたまると、直腸壁が伸ばされ内圧が高まります。

すると内肛門括約筋がゆるみ肛門管移行帯というところに到達します。

肛門管移行帯では内容物が固形の便か、液状の便か、ガスかを識別します。このとき外肛門括約筋はまだ収縮した状態で、便が漏れるのを防いでいます。

排便できな状況の時には、外肛門括約筋にグッと力を入れたままにして肛門を締め続けます。

これが排便を我慢している状態です。

この収縮を続けると直腸内圧は徐々に低下していきます。

すると直腸まで来ていた便は、S状結腸に押し戻され便意も収まります。

 

一方排便できる状況の時には、外肛門括約筋を意識的に緩ませて排便します。

排便をスムーズにするために恥骨直腸筋は緩みます。

下図のように恥骨直腸筋が収縮した状態では直腸軸と肛門管軸が曲がった状態になっておりスムーズに便が通過しづらいです。

便漏れ 対策 原因 予防 肛門括約筋 便失禁

 

しかし恥骨直腸筋が緩むことで、直腸から肛門までが一直線に近くなりスムーズに排便ができます。

(※下の画像では姿勢を変えることで恥骨直腸筋をゆるませています)

便漏れ 原因 対策 予防 肛門括約筋 便失禁

 

また補助的に腹圧をかけることでも直腸内圧が、肛門内圧よりも高くなり排便しやすくなります。

 

排便後は内・外肛門括約筋、恥骨直腸筋は収縮し、直腸は緩むことで肛門管は閉じられ便が漏れ出ることを防いでいます。

このように排便が正常に行われるためには、直腸肛門周辺の筋肉だけでなく感覚器の働きも欠かすことができません。

 

まとめ

便漏れを防ぐ肛門括約筋の働きについてご紹介してきました。

普段、私たちは精巧なメカニズムによってスムーズに排便ができています。

それを可能にしている重要な筋肉が内・外肛門括約筋なのです。

便を漏らさずに生活できているのは、肛門括約筋のおかげと言えます。

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