股関節の固い人が便秘になりやすいのは何故か?

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一見すると関係のなさそうな、「股関節の固さ」と「便秘」ですが、解剖学的に見ると実は大いに関係があります。

股関節の固さと便秘を結びつけるのは、腸腰筋【ちょうようきん】です。

腸腰筋は股関節を曲げる時に主に働く筋肉ですが、起き上がる時や、立つ時、歩く時、さまざまな動作の時に中心となって働く重要な筋肉です。

そもそも筋肉というは伸び縮みをして、体を動かすために働いています。

しかし、筋肉は疲労が過度にたまると、固くなり伸び縮みもしにくくなります。

 

腸腰筋は股関節の前を通っている筋肉なので、疲労がたまるなどして筋肉が固くなると、股関節の動きを制限するようになります。

これが股関節が硬くなった状態です。

もちろん股関節が硬くなる原因は、他の筋肉など、腸腰筋以外の組織の固さによって引き起こされることもありますが、腸腰筋は非常に大きな筋肉であるため、股関節に及ぼす影響は大きいです。

 

そして、腸腰筋が固くなると、便秘を引き起こしやすくなります。

なぜかというと、腸腰筋は便がたまる大腸のすぐ後ろに位置しているからです。

 

大腸は蠕動運動という動きによって、便を肛門の方へと送り出していきます。

しかし、大腸の真後ろにある腸腰筋が硬くなっていると、本来の動きが出しにくくなります。

そのため、蠕動運動が不十分となり、送り出しきれなかった便が大腸内にとどまり、便秘となってしまうのです。

 

今回は、股関節の固さや便秘に影響を及ぼす腸腰筋についてお伝えしていきます。

 
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股関節の固さと便秘に影響を及ぼす腸腰筋とは?

腸腰筋【ちょうようきん】が固くなると、便秘を引き起こしやすくなるということはお分かりいただけたと思います。

ここからは、その腸腰筋がどのような筋肉なのか解説していきます。

腸腰筋がどのような筋肉なのか知ることによって、腸腰筋の硬さを原因とする便秘の解消法も理解しやすくなります。

 

実は、腸腰筋というのは総称で、細かく分けると腸骨筋【ちょうこつきん】大腰筋【だいようきん】小腰筋【しょうようきん】に分けられます。(小腰筋を持つ人は日本人にはあまりいません)

まずは腸腰筋を図でチェックしてみましょう。

股関節固い便秘腸腰筋

大腰筋だけだとこのようになります。

股関節硬い便秘大腰筋

腸骨筋はこちらです。

股関節固い便秘腸骨筋

腸腰筋は、主に股関節を屈曲(曲げる)ときに働く筋肉です。

この動きが股関節の屈曲です。

股関節固さ腸腰筋屈曲

腸腰筋は体の中心に近いところに位置している筋肉です。

ですから、起き上がったり、立ったり、歩いたりなどなど、多くの動作で起点となります。

腸腰筋がしっかりと働くことで、まっすぐ立つことができたり、スタスタと歩くことができるのです。

 

このように人の動きに深く関わる腸腰筋ですが、腸の真後ろに位置することから、便秘とも深く関わります。

では、腸腰筋と大腸の位置関係を確認してみましょう。

横からの図です。

股関節固い便秘腸

このように腸腰筋と腸がべったりとくっついているのが、お分かりいただけると思います。

これだけ密着していると、筋肉疲労などにより腸腰筋が固くなり柔軟性を失うと、その前に位置する腸も動きがとりづらくなります。

 

腸は蠕動運動という動きを通して内容物を先に送っているので、その動きが制限されると内容物である便が動かなくなり、やがて便秘となってしまうのです。

このような状態に陥らないようにするためには、ストレッチやウォーキングなどの運動を通して、腸腰筋への血流量を増やし、固くならないように注意しておく必要があります。

 

腸腰筋ストレッチで便秘解消

では腸腰筋のストレッチをどのように行えば良いか、解説していきます。

ストレッチとは、つまり筋肉を引き延ばすことです。

筋肉を引き延ばすためには、その筋肉が骨にくっついている所どうしを遠ざけるようにすれば良いだけです。

腸腰筋はその一端が、第12胸椎・第1〜5腰椎、腸骨内側面に付着しています。

股関節固い腸腰筋起始

そしてもう一端が、小転子に付着しています。

股関節固い小転子

ですから、この2つを引き離すような姿勢をとれば、腸腰筋がストレッチできます。

では、具体的な方法をお伝えしていきます。

 

腸腰筋をストレッチしたい方の脚を後ろに引いて、膝立ちの格好になります。

下図のようにします。

股関節固いストレッチ

引用)図解入門 よくわかる便秘と腸の基本としくみ

股関節の前のあたりに突っ張るような感じがあれば、腸腰筋がしっかりストレッチされています。

この姿勢を30秒程度続けます。

このストレッチのポイントは、しっかりと正面を向いて体をまっすぐにしておくことです。

下図のように体が前かがみになると、腸腰筋がしっかりストレッチされませんので、注意が必要です。

股関節固い ストレッチ

引用)図解入門 よくわかる便秘と腸の基本としくみ

このストレッチ方法で、伸びる感じがあまりない人は、さらに股関節を内旋【ないせん】すると良いです。

下図のように足を外側に倒します。

股関節固い腸腰筋内旋

引用)図解入門 よくわかる便秘と腸の基本としくみ

腸腰筋は股関節を外旋する働きもあるので、その反対の動きでより腸腰筋をストレッチしていくのです。

この膝立ちの格好は、かなり足腰の強さがないと維持できませんので、難しい方には寝そべった状態でできる腸腰筋のストレッチもあります。

 

横になった状態で、左右どちらかの膝を抱えて胸の方に近づけます。

股関節固いストレッチ臥位

引用)図解入門 よくわかる便秘と腸の基本としくみ

この時、反対側の脚はまっすぐに伸ばしておいて、床にピタッとくっつけておきます。

このストレッチ方法では、脚を伸ばしている側の腸腰筋がストレッチされます。

こちらストレッチも膝立ちのものと同様に、30秒程度伸ばし続けます。

 

筋肉は、ストレッチをすることで緊張が緩む生理的な作用があります。

緊張が緩むことで、筋肉の固さは当然とれますし、それによって筋肉内での血管への圧迫が解消され、血液が流れやすくなります。

筋肉は血液によって栄養を受けたり、老廃物を除去したりしていますので、血流の改善によっても筋肉の固さがとれます。

 

腸腰筋ウォーキングで便秘解消

続いて、腸腰筋を使ったウォーキングについてです。

筋肉は本来伸び縮みして、働くものなので、伸ばすだけでなく腸腰筋を使って収縮させることで、より腸腰筋の固さがとれます。

また腸腰筋を使ったウォーキングを行うことで、腸への刺激が適度に加わり便秘解消に一役買います。

 

腸腰筋ウォーキングでは、腸腰筋を効率的に使います。

ここでもう一度、腸腰筋の位置を確認しておきましょう。

このように腸腰筋は下部胸椎、腰椎から伸びています。

股関節固い便秘腸腰筋

そのため、脚がへそのあたりから生えているようにイメージして歩くと、腸腰筋を使ったウォーキングができます。

このウォーキング方法では、骨盤から足を降り出すようになり、歩幅も広がります。

「へそから脚が生えている」イメージがつかみにくい方は、大また歩きを心がけるとよいでしょう。

また大またで歩くためには、しっかり腕を振る必要がありますので、こちらも同時に意識するとより良いです。

 

まとめ

股関節の固さと便秘の関係について解説してきました。

腸腰筋を通して、股関節の固さと便秘が結びつくことがお分かりいただけたのではないでしょうか。

腸は命の中心とも言われています。

それは、腸が栄養を吸収できる唯一の器官だからです。

便秘になっているようでは、腸が良い状態とは言えません。

腸の健康を保つことが、全身の健康への第一歩です。

今回ご紹介した腸腰筋のストレッチやウォーキングを、便秘解消の一助にしていただければ幸いです。

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