急性腹症とは?症状やCTから原因疾患を鑑別する

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急性腹症【きゅうせいふくしょう】という言葉をご存知でしょうか。

お腹や胸で起こる病気で、腹部に痛みがでる病気です。

急性腹症は病気によっては、緊急手術を受けなければ、命を落としてしまうこともある重篤な疾患を含みます。

そのような急性腹症には、どのような病気が含まれて、どのような症状が出るのか気になる方も多いのではないでしょうか。

 

そこで今回は、急性腹症が疑われる時、どのような検査が行われるのか、発症した時にはどのような症状がどこに出るのかを解説していきます。

 
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急性腹症とは

急性腹症とは、最近1週間以内に、急に発症した腹痛で、手術などの処置が緊急に必要な腹部疾患のことです。

急性腹症と名前は付いていますが、胸部の疾患も含みます

代表的なものに、急性心筋梗塞、肺塞栓症、腹部大動脈破裂などがあります。

以上のは全て、発症すると即、命に関わる病気です。

 

腹部や胸部には、人の生命活動にとって重要な臓器が密集していますので、そこで病気が起こると重症化するケースも多いです。

胸部・腹部臓器にどのようなものがあるか図で確認しておきましょう。

こちらが胸腹部の全体像です。

急性腹症症状CT鑑別

見えるところにある範囲で、心臓、肺、肝臓、胃、腸などがあります。

画像にはありませんが、背中側から見ると膵臓、腎臓などが見えます。

これらの臓器はどれも重要な臓器ですが、特に心臓や肺の病気は一刻を争う状態になることもあり、救急受診する必要があります。

では、急性腹症になった時に、病院ではどのような検査を行うのでしょうか。

以下に解説していきます。

 

急性腹症が疑われる時 病院で行われること

急性腹症の可能性があると医師がや救急隊員が判断すると、まず行うのはバイタルサインの確認です。

バイタルサインの評価は別名、ABCD評価とも呼ばれ、気道(Airway)、呼吸(Breathing)、循環(Circulation)、意識障害(Dysfunction of CNS)のチェックを行います。

呼吸や脈拍、血圧は正常か?意識はあるか?などを確認します。

この時に異常があれば、バイタルサインを安定させるために、気道確保や酸素投与、点滴などが行われます

つまり、ひとまず命を繋ぎとめるための処置が行われるのです。

それに続いて、急性腹症の原因となっている病気を探るために様々な検査を行っていきます

 

必要な検査については、担当した医師の判断によって選択されます。

急性腹症の場合は、ゆっくり検査をしている時間はありませんから、素早い対応が求められます。

まずはX線検査(レントゲン撮影)心電図超音波検査などにより原因を探ります。

それでも原因がわからない場合や、より詳しい検査を必要とする場合は、血液検査CT画像検査などが追加で行われます。

そうして原因が特定されると、手術や集中治療など必要な処置がとられます。

 

一方で、最初のバイタルサインのチェックで異常が認められない場合は、症状の原因を探るために、問診腹部の診察血液検査画像検査などを通して、救急対応が必要な状態かを判断していきます。

特に女性では、妊娠の可能性を聞いておくことが重要です。

その結果、手術や集中治療が必要な状態であれば、緊急に対応し、そうでなければ保存療法を行いながら様子を見ていきます。

 

急性腹症の検査 X線やCT検査などの画像検査も行われる

上記した通り、急性腹症が疑われる時に、X線やCT検査などの画像検査も行われることがあります。

X線検査はCT検査と比べ、短時間で検査が可能なので、一刻を争う場合には重宝されます。

またX線検査の方が、全体像を素早く確認しやすいです。

それは、撮影方法の違いによってもたらされます。

 

X線検査は2次元で体の内部をチェックするので、1枚の画像の中に様々な情報が盛り込まれています。

一方CT検査は体を輪切りにしたように3次元で、体の中をチェックします。

 

つまり素早くチェックできるのはX線検査ですが、より詳細にチェックするにはCT検査の方が適していると言えます。

このようにX線とCTとで得意なことが違いますので、医師は必要に応じて使い分けています。

 

急性腹症の原因疾患 超緊急疾患かどうかの鑑別が重要

お伝えしてきたように、急性腹症が疑われ、バイタルサインに異常をきたしている時、手術や集中治療が緊急に必要かどうかを検査することが大切です。

救急対応が必要な急性腹症は、超緊急疾患緊急疾患に分類されます。

超緊急疾患とは、胸部X線検査(胸部レントゲン検査)、心電図、超音検査のみを行い、原因疾患を診断し、緊急に処置する必要のある病気のことです。

一方、緊急疾患とは超緊急疾患以外で、血液検査、尿検査、腹部CT検査などを上記検査に追加で行い、原因疾患を診断し、病院に着いてから6時間以内に治療を始める必要のある病気です。

以下に超緊急疾患と緊急疾患を代表する病気と、その症状、腹痛の部位について解説していきます。

 

超緊急疾患

急性心筋梗塞

症状

突然に起こる強い胸の痛み

ショック状態

 

腹痛の位置

上腹部痛

急性腹症 急性心筋梗塞 上腹部痛

 

肺動脈塞栓症

症状

突然の呼吸困難、胸の痛み

ショック状態

 

腹痛の位置

上腹部痛、心窩部痛

急性腹症 肺動脈塞栓症 上腹部痛 心窩部痛

 

腹部大動脈破裂

症状

低血圧

背中の痛み

脈拍に連動した腹部腫瘤

ショック状態

 

腹痛の位置

心窩部痛、へそ周囲痛

急性腹症 腹部大動脈破裂 心窩部痛 へそ周囲痛

 

大動脈解離

症状

突然に起こる胸部痛、背中の痛み

ショック状態

 

腹痛の位置

へそ周囲痛

急性腹症 大動脈解離 へそ周囲痛

 

 

緊急疾患

腸管虚血

症状

お腹の張り、痛み

排便、ガスの停止

嘔吐など

時間が経つごとに腸管壊死が進行し症状がひどくなる

 

腹痛の位置

腹部全体痛

急性腹症 腸管虚血 腹部全体痛

 

 

重症急性胆管炎

症状

腹痛

黄疸

発熱

ショック状態

意識障害

臓器の急性炎症

 

腹痛の位置

右上腹部痛、心窩部痛

急性腹症 重症急性胆管炎 心窩部痛 右上腹部痛

 

肝癌破裂

症状

出血性ショック

貧血

 

腹痛の位置

腹部全体痛

急性腹症 肝癌破裂 腹部全体痛

 

異所性妊娠

症状

出血性ショック

貧血

 

腹痛の位置

腹部全体痛

急性腹症 異所性妊娠 腹部全体痛

 

 

内臓動脈瘤破裂

症状

出血性ショック

貧血

 

腹痛の位置

腹部全体痛

急性腹症 内臓動脈瘤破裂 腹部全体痛

 

敗血症性ショックを伴う汎発性腹膜炎

症状

腹部全体で髄膜刺激症状

 

腹痛の位置

腹部全体痛

急性腹症 汎発性腹膜炎 腹部全体痛

 

まとめ

急性腹症について、発症した時の症状や、病院で行われる検査などについて解説してきました。

腹部や胸部には重要な臓器が詰まっています。

ですから、急性腹症が起こると命にかかわる状態になることがしばしばあります。

救急受診をして医師の指示に従い、検査、治療を受けるようにしましょう。

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