栄養失調の症状とリハビリ 低栄養に対するアセスメントを解説

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栄養失調【えいようしっちょう】の方は筋肉が痩せてガリガリになっている方もいます。

そんな方が「頑張って動こう」と無理に運動を行ったり、「頑張って食べよう」と張り切っても空回りするだけになることもあります。

そもそも栄養失調とは本来、栄養素の不足と過剰な状態、両方を表す言葉です。

ですが、一般的には栄養失調というと栄養が不足した状態と認識している方が多いです。

医学的には栄養が不足した状態を低栄養【ていえいよう】と呼びます。

今回はこの低栄養に的を絞ってお伝えしていこうと思います。

 

低栄養の状態に陥っている人に、無理に運動をさせても逆効果であることが多くの研究で明らかになっています。

栄養がなければ、いくら動いても筋肉はつかないので当然のことですし、生命維持に必要な栄養まで運動で消費してしまうので、かえって危険な行為になりかねません。

しかし、リハビリの現場では動くことが第一になっていて、低栄養の状態を確認することは二の次になっていることも少なくありません。

気づいていたとしても「頑張って食べてください」と声かけする程度で、具体的に何か対策をとれる人は少ないのが実情だと思います。

 

低栄養は正しくアセスメントを行い、対策をとることで改善できる例もあります。

そこで今回は、低栄養のアセスメントとリハビリそして、食事量が低下している方への対処法について解説していきます。

 
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栄養失調(低栄養)の症状とは?

低栄養の人は当然、痩せていたり、筋肉量が少なくなっています。

問題はそれが病的な状態かどうかを判定できるかどうかです。

まず確認するべきことは、食事量の摂取や水分量の摂取が十分に行えているかということです。

これらが不足している人は低栄養に陥っている可能性が高いです。

 

アメリカ栄養士会とASPENの成人低栄養分類のコンセンサスでは、低栄養を判定するための指標を作成していますので、以下にご紹介します。

  1. エネルギー摂取不十分
  2. 体重減少
  3. 皮下脂肪減少
  4. 筋肉量減少
  5. 浮腫
  6. 握力測定による機能低下

これら6項目のうち、2項目以上に該当すると低栄養と判定されます。

低栄養を正確に診断するためには、このような項目を検査していかなければなりませんが、簡易的に判定する方法もあります。

 

体重の変化を追うことで、低栄養かどうかを簡易的にチェックできます。

体重が1ヶ月間で5%以上低下しているようであれば、低栄養を疑います。

また、3ヶ月で7.5%、6ヶ月で10%体重が低下していても、同様に低栄養を疑います。

 

体重の変化に加えて、BMI【ビーエムアイ】の変化も見ておくと良いでしょう。

BMIとは、〔体重(kg)〕➗〔身長(m)の2乗〕の計算式で算出される数値のことで、これにより適正な体重かどうかが分かります。

このBMIが18.5を下回るようであれば、低栄養が疑われます。

 

低栄養状態のアセスメント

低栄養のアセスメントを行うためには、上記した体重、BMIの他に筋肉量の低下もチェックしておく必要があります。

低栄養状態に陥ると筋肉量が低下するため、低栄養のアセスメントにおいて重要な項目です。

 

筋肉量の低下を見る方法は、握力測定から行うと良いでしょう。

握力は全身の筋力を投影すると言われています。筋力は筋肉量と比例するので、握力を見ることでおおよその筋肉量を推測することができます。

男性の場合、25kg未満で筋力低下

女性の場合、20kg未満で筋力低下

と判定します。

 

次に脚の筋肉量低下を確認する時には、下腿周囲長を計測します。

下腿とは膝から下の脚のことで、その最も太いところの周径を測ることで筋肉量を推測します。

下腿の位置を図で確認してみましょう。下図で赤丸で囲んだところが下腿です。

栄養失調症状 下腿

下腿周径は下図のように最も太いところで測ります。

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この下腿周囲長が31cm以下だと、低栄養が疑われます。

 

さらに低栄養状態になると四肢に浮腫(むくみ)が出現することもあります。

浮腫の原因を判定する方法に「10秒テスト」という検査があります。

これは、浮腫のあるところを10秒間圧迫し続けた後に放し、40秒以内に押さえた跡が戻るか戻らないかをチェックするものです。

40秒以内に跡が戻る場合は、低栄養による浮腫の可能性があります。

ちなみに40秒以上戻らない場合は、心臓疾患による浮腫の可能性が有ります。

 

低栄養のアセスメントには、これらの項目を総合的にチェックして確認するようにしましょう。

 

低栄養のリハビリ

低栄養の状態と判定されたら、筋力トレーニングなどの高負荷の運動は逆効果になることもあるので控えます。

たんぱく質などの筋肉を作る栄養素がない状態で運動しても筋肉はつかないからです。

ただし、低栄養だからといって一切動かない方が良いかというとそうではありません。

 

起き上がり動作や座位練習など負荷の少ない運動は行うべきです。

そうしないと、廃用症候群のように体がますます動きにくい状態となってしまいかねません。

最低限の運動は行いつつ、栄養状態の改善を目指します。

栄養をしっかり摂るためには、

  1. 義歯(入れ歯、さし歯)が合っているか
  2. 味覚は正常か
  3. 食事の形態は適切か(適度にきざむ、水分にとろみをつけるなど)
  4. 食事の時の姿勢は問題ないか(傾いたり、頭が後ろや前に倒れていないかなど)

以上の4つの項目をチェックしてみましょう。

 

固形物が食べにくい時には、低栄養の人用のドリンクもあります。

適切な栄養摂取を行いながら、リハビリをすすめていきましょう。

 

まとめ

栄養失調の中でも低栄養に的を絞って解説してきました。

低栄養の状態は気付かれにくいことも多いですが、その状態で運動をしても逆効果になります。

せっかく頑張ったのに、かえって状態が悪くなるようではいけません。

適切な栄養補給をしながらリハビリ、運動を行っていくようにしましょう。

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