胆嚢摘出の影響は?合併症や副作用について解説!

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胆嚢と書いて「たんのう」と読みます。

名前を聞いたことがある方は多いと思いますが、体のどこに位置しているかを知っている方は少ないのではないでしょうか。

胆嚢は右の脇腹の辺りで、肝臓の下に隠れるように存在しています。

胆汁【たんじゅう】という消化液濃縮、貯蔵する機能があり、必要に応じて胆汁を十二指腸に分泌します。

 

胆嚢は消化において重要な働きを持っていますが、結石ができたり炎症が起きるなどすると、手術によって摘出されてしまうことがあります。

胆嚢がなくなっても胆汁自体は肝臓で作られているので、消化が全くできなるということはありません。

ただし、胆嚢を摘出すると消化機能が落ちたり、下痢をしやすくなるなどの症状が出やすくなると言われています。

 

そこで今回は、胆嚢を摘出するとどのような影響が体に出るのか、その合併症などについて解説していきます。

 
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胆嚢摘出の影響とは?

胆嚢摘出の影響は簡単に言えば、胆嚢が持っている機能が失われるということです。

当たり前と言えば当たり前ですが、それが胆嚢摘出の影響といえます。

では、胆嚢の機能にはどのようなものがあるか確認していきましょう。

 

まずは胆嚢の形を図で見てみましょう。

胆嚢摘出 合併症影響

豆のようにも見えますね。この袋状の中に胆汁がたまります。

ちなみに胆汁は緑色をしており、これは上画像の胆嚢の色と同じです。

 

続いて、胆嚢の解剖学的な位置を図で確認してみましょう。

胆嚢は肝臓の下に隠れるように存在しています。尻尾のように伸びているのは、胆道【たんどう】といって胆嚢と十二指腸をつないでいます。

胆嚢摘出 影響

この位置関係を見てもわかるように、胆嚢と肝臓は密接な関係を持っています。

肝臓は胆汁【たんじゅう】と呼ばれる消化液を産生しており、胆嚢には胆汁を濃縮して貯め、必要に応じて放出する機能があるのです。

胆汁は小腸の一部である十二指腸に放出され、脂肪を乳化吸収できる状態にすること)する作用があります。

ですから、脂肪分が多い食べ物を食べると胆汁の働きにより、胆汁が分泌されます。

 

胆嚢を手術により取り除くと、上述の機能が失われます。

つまり、胆汁を貯めておいたり、必要に応じて放出することができなくなります。

 

ただし、胆汁自体は肝臓で作られていますので、胆汁が出なくなるということではありません。ですから、脂肪の吸収はできます。

ですが、胆汁を分泌するタイミングや量が調節できないため、脂肪が吸収できず脂肪便(白っぽい便)が出たり下痢が続くなどの症状が出ることがあります。

 
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胆嚢摘出術の合併症

昔はお腹を切開して行う開腹胆嚢摘出術が一般的でした。

しかし最近では、腹腔鏡下にて行われることが多くなっています。

正式には腹腔鏡下胆嚢摘出術【ふくくうきょうかたんのうてきしゅつじゅつ】(LAP-C)と呼ばれます。

この手術では、お腹を大きく切り開くことがなく、小さな穴を数箇所開けてそこからカメラや手術道具を差し込み、カメラの画像を頼りに胆嚢を取り除く手術方法です。

従来の開腹手術と比べて傷口が小さい、痛みが少ない、治りが早いといった特徴があります。

治りが早い分、入院期間が短くて済み、手術を受ける人の負担を軽くすることができます。

ここまで聞くといいことばかりのように聞こえるかもしれませんが、実は短所もあります。

腹腔鏡下胆嚢摘出術は開腹手術に比べて難易度が高く、技術を必要とします。

難しい手術なので時間が長くなる傾向にあり、様々な合併症を引き起こす可能性もあります。

以下に合併症について解説していきます。

 

腹腔鏡下胆嚢摘出術の合併症 胆道、血管の損傷

胆嚢周辺には、胆嚢と肝臓、十二指腸をつなぐ胆道【たんどう】や血管が多くあります。

腹腔鏡下手術では、カメラを差し込んでその映像をもとに手術を行っていくため、開腹手術に比べ視野は狭いです。

そのため、手術の途中で胆道や血管を傷つけてしまう可能性があります。

傷つける場所によっては重症化することもあるので、細心の注意が必要です。

万一傷つけたときには、早急に修復を行わなければなりません。

 

腹腔鏡下胆嚢摘出術の合併症 心肺機能低下

腹腔鏡下手術では、視野を確保するために、お腹の中にCO2(二酸化炭素)を送り込み、お腹を膨らませます。

お腹が膨らむ、つまり腹腔の圧力が上がると静脈還流量(心臓に戻る血液量)が減少し、心臓や肺に負担がかかります。

ですから、心臓や肺に病気がある人に腹腔鏡下手術を行う場合には、心肺機能にも注意を払わなければなりません。

 

腹腔鏡下胆嚢摘出術の合併症 深部静脈血栓症

お腹にCO2を送り込むと、脚の血流が滞ります。

血液の流れが悪くなると、血栓と呼ばれる血の塊ができやすくなります。

これを深部静脈血栓症と呼びます。

 

脚にできた血栓が何かの拍子で血管内を流れていくと、行き着く先にはがあります。

この血栓が肺に詰まる病気を肺塞栓と呼びます。肺塞栓は死に至ることもある重大な病気です。

弾性ストッキング脚を圧迫する機械を用いて、静脈血栓症を予防していく必要があります。

 

腹腔鏡下胆嚢的手術は早期退院も可能な有用な手術ですが、上述のような合併症もあるので、細心の注意を払いながら手術をしていく必要があります。

 

胆嚢摘出の副作用

胆嚢を摘出すると、いくつかの症状が出てきます。以下にご紹介していきます。

胆嚢を摘出しても胆汁自体は肝臓から分泌されているので、脂肪分の消化吸収は行われます。

ただし、胆汁分泌の量やタイミングのコントロールができなくなるため、消化吸収が不安定になりがちです。

そのため、吸収しきれなかった脂肪が便に混じり、脂肪便が排泄されることがあります。

脂肪便は白色で、脂っぽい便です。また水に浮きやすい性質もあります。

 

これに伴って便中の水分量も増加し、下痢になる人もいます。

ですから、摘出術後しばらくは脂分の多い食事は避けたほうが良いです。

ですが、多くの人は1か月ほどすると体が胆嚢のない状態に適応していき、これらの症状が改善していきます。

 

※副作用とは薬を使った時に現れる、治療目的に沿わない作用のことを言います。

ですから正しい言葉の使い方ではありませんが、目的以外の作用が発生するという意味では、ここでお伝えした内容と一致しているため、副作用という言葉を使わせていただきました。

 

開腹胆嚢摘出術とはどんな手術?

上述した腹腔鏡下胆嚢摘出術は多くの胆嚢の病気で用いられます。

腹腔鏡下胆嚢摘出術の適応疾患には、胆嚢結石、急性胆嚢炎、胆嚢ポリープ、胆嚢腺筋腫症などがあります。

しかし、開腹胆嚢摘出術が必要な疾患もあります。

具体的には、胆嚢癌などです。

 

なぜ胆嚢癌で開腹胆嚢摘出術を行うのかというと、腹腔鏡下胆嚢摘出術で起こりやすい腹膜播種【ふくまくはしゅ】を避けるためです。

腹膜播種とは腹膜内で癌細胞が他の臓器に転移することを言います。

つまり、胆嚢癌では癌の転移を防ぐために開腹胆嚢摘出術が選択されるのです。

 

その他、胆嚢結石などの場合にも炎症があったり、癒着があったりする場合などは開腹胆嚢摘出術が行われることがあります。

 

まとめ

胆嚢を摘出した際の影響について解説してきました。

胆嚢は小さな臓器ですが、消化や吸収において重要な機能を持っています。

その胆嚢がなくなってしまうと、脂肪便が出たり、下痢になるなどの症状が出ることがお分かりいただけたと思います。

胆嚢を取り除かなくて済むのであれば、もちろんその方が良いですが、不幸にも病気により取り除かれたとしても、生命に影響を及ぼすものではありません。

ただし、特に手術直後は脂分の摂取を控えるなど、食生活を見直すことが必要になります。

胆嚢の機能を理解して、体に無理がこないようにしましょう。

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