腎臓病のリハビリ治療 運動の方法を紹介!

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日本で慢性腎臓病になっている人は1,330万人にのぼり、成人人口の12.9%を占めると言われています。

腎臓病は進行すると、腎不全となり人工透析が必要になったり、心臓病のリスクも高めてしまいます。

手足や胴体についている筋肉のことを骨格筋といいますが、これは体重の約40%を占めており、人体で最も大きな組織です。

慢性腎臓病の方は病気の進行とともに、この骨格筋量や筋力が低下するとの報告があり、身体機能や病気の経過に大きく影響するため、リハビリで運動を行うことで筋量や筋力を維持向上させ、身体機能や病気の経過を改善することが重要です。

 

そこで今回は腎臓病のリハビリについて、どのような運動を行えばいいのか解説していきます。

 
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腎臓病のリハビリ 運動してもいい人と注意が必要な人

慢性腎臓病の診療ガイドでは、慢性腎臓病の重症度を分類しています。

自分がどの分類に属するのかは、以下のサイトでチェックできます。

年齢、性別と健康診断の時などに行われる血液検査に含まれるクレアチニン値を入力すれば、腎臓病の分類が分かります。

簡単ですので、リスク判定のためにもまずはチェックしてください。

参照)腎臓病の分類を判定

 

この分類で、ステージ3b以上の場合や、今までに急性腎障害を患ったことがある場合は、リハビリで運動をすることによって、かえって腎機能が悪化する危険性があるので注意が必要です。

該当する方は運動の前に、一度主治医と相談してください。

 

腎臓病のリハビリ どんな運動をやればいい?

推奨される運動は、最大筋力の60~80%の強度で、8~12回反復運動を1~3セット行い、セット間の休憩は1~3分程度とるようにして、週に2~3回の頻度で行うことが有効とされています。

 

こう言われても、運動強度が最大筋力の60~80%というのがピンとこないと思います。

そんな時は、運動をした時のしんどさを目安にすることで、ある程度の負荷量を決めることができます。

 

0~10までのうち(0は何もしていない時、10は非常にしんどい時とする)運動している時のしんどさが、4~7くらいの運動をしていると適正な運動負荷と判定できます。

 

トレーニングを始めて間もないあいだは、これよりも負荷を少なくしても良いでしょう。

少しずつ慣らしながら行うと良いです。

 

いずれにしても、運動をして体に負荷をかけるということは、腎機能に問題がある人にとってはリスクのあることですので、軽い運動から体調に注意しながら行うべきです。

 

また、運動負荷や内容に関して自己判断で進めるべきでなく、主治医の判断を仰ぐようにしてください。

 

 

腎臓病のリハビリ 運動の実際

それでは実際に腎臓病のリハビリ内容についてお伝えしていきます。

上半身の運動と下半身の運動に分けてお伝えします。

 

腎臓病のリハビリ 上半身の運動

  • 手を握る運動

慢性腎不全 リハビリ治療 運動

  • 腕を外に開く運動(わきを開かないように注意しながらゴムバンドを引っ張ります。)

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  • 肩の外転運動

腎臓病 リハビリ 治療 理学療法

  • 腕を持ち上げる運動

腎臓病 リハビリ治療 理学療法

  • 腕伸ばしの運動

慢性腎不全 リハビリ 治療 理学療法

  • 肘まげの運動

慢性腎不全 リハビリ治療 理学療法

 

腎臓病のリハビリ 下半身の運動

  • 脚上げの運動

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  • 脚の外転運動

リハビリ 腎不全 理学療法士

  • 脚の内転運動(ボールをつぶします)

腎臓 リハビリ治療 運動

  • 膝伸ばし運動(見えにくいですが、足首にゴムバンドをかけています)

腎臓 リハビリ 治療 運動

  • かかと上げ運動

腎疾患 リハビリ 運動療法

  • スクワット運動(膝が前に出ると関節への負担が強くなるので、膝がつま先より前に出ないように、椅子からの立ち座りをします。)

腎臓病 リハビリ 治療 運動

ゴムバンドをつかった運動を紹介していますが、リハビリでよく使うのは、セラバンドというものを使用します。

セラバンドは色によってゴムの強さが違いますので、自分に合った強さを購入して下さい。

腎臓病のリハビリ 運動の注意点

慢性腎臓病患者は、日ごろから貧血があったり、活動量が少ないことから、安静時でも心拍数や脈拍が高いことがあります。

それに加えて、自律神経障害や薬によって、運動とともに変化するはずの心拍数や血圧が上昇しにくいことがあります。

そのため、しっかりウォーミングアップを行ってからトレーニングに移るようにすべきです。

ウォーミングアップとしては、ゆっくりと散歩を行ったり、軽いストレッチが良いです。

 

また、血圧が上がり過ぎないように、息をこらえての運動は避け、血圧が上昇しやすいタイプの運動(持続的に力を入れる運動)は避けるべきです。

 

運動を始めた最初のうちは、運動の種類が変わるたびに、脈拍やしんどさをチェックするべきです。

運動に慣れてくれば徐々にチェックの回数は減らしていって構いません。

 

 

運動を終えるときには低血圧予防、疲労回復を促すために、整理体操としてストレッチや軽い運動を行いましょう。

また、慢性腎臓病分類のステージ3b以上の腎機能障害が重度な方は、血圧や脈拍が安定するのに時間がかかるので、運動後の尿量やバイタルサインのチェックを行ってください。

 

 

運動の負荷量が適切か判断するには、

  • 運動後に心地よい程度の疲労感があるか(疲れて動けないようではやり過ぎです。)
  • 運動の翌日に疲れが残っていないか(朝からだるさがあたり、筋肉痛がある様ではやり過ぎです。)

をチェックしてください。

 

この2点が問題なければそのまま運動を継続して大丈夫です。

 

このような腎臓病に対する運動も、効果があるかどうか実感できなければなかなか続かないものです。

そこで、運動の効果を判定するのに便利なのが「握力」です。

 

握力は握力計さえあれば簡便に測定でき、全身の筋力を反映すると言われているので、手っ取り早く運動の効果を知ることができます。

握力計は通販でも購入できます。

モチベーションを維持するためにも、こういったもので効果判定を行いながら、運動を継続してください。

 

まとめ

腎臓病のリハビリ治療についてご紹介してきました。

昔からのなごりで、病人は安静にするというのが習わしになっていますが、過度の安静は病気を悪化させ、筋力が落ち、移動能力も落ちることで生活の質も落とします。

 

リスク管理はもちろん必要ですが、その上での適度な運動は大切です。

主治医と相談したうえで、今回ご紹介した運動にもぜひ取り組んでみて下さい。

参考文献 腎疾患患者に対するレジスタンストレーニング 重田暁 理学療法 32巻6号

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