宿便について解説!嘘を見やぶるのは解剖、生理学の知識

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宿便と書いて、「しゅくべん」と読みます。

雑誌やテレビで目にしたり、耳にしたことがある方も多いと思います。

宿便と言うと、一般的には「大腸内に長年こびりついた便」というイメージがあるのではないでしょうか。

 

ですが、そのようなものは存在しません。

生理学の知識があれば、一般的にイメージされる宿便など存在しないということがわかります。

なぜなら、腸の粘膜は約1日から1日半で、はがれてしまうからです。

はがれてしまう粘膜に、どうやって便がこびりつくことができるでしょうか。

 

これは、大腸の内視鏡検査でも証明することができます。

長年、内視鏡検査に携わってきた医師は、いわゆる宿便と呼ばれるものにお目にかかったことはないと話しています。

 

では、なぜ宿便という言葉が一人歩きし、大腸にこびりついた便というイメージが定着するようになったのでしょうか。

今回は、宿便についてより深く掘り下げて、解説していきます。

 
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宿便の嘘が蔓延する理由とは

腸は小腸と大腸に分けられます。

小腸には、絨毛【じゅうもう】と呼ばれる小さな突起が、無数に存在しています。

小腸の絨毛の模式図を下に示します。

宿便 絨毛

絨毛は小腸内にびっしりと敷きつめられています。

宿便がこびりついた便とイメージされるのは、この絨毛の間に便がつまるのをイメージした人が言い始めたのかもしれません。

 

冒頭でお伝えした通り、腸の粘膜は1日と少しの周期ではがれ落ちるので、そこにこびりつくことなどできません。

また、小腸は便がたまるところではありません。

小腸では主に栄養の吸収が行われ、続く大腸で便が作られ、たまっていきます。

 

その便がたまる大腸には、絨毛がありません。

大腸の内視鏡の映像を見たことがある方はお分かりになるかもしれませんが、ツルツルとした表面になっています。

この大腸の粘膜も1日程度ではがれ落ちます。

また、大腸は腸壁から粘液を常に出し続けており、便がくっつくことがないようにできています。

 

 

ちなみに、便は食べ物の残りカスだけででいているわけではありません。

食べ物の残りカスは全体の1/3に過ぎません。

残りの1/3は、腸内からはがれ落ちた粘膜と、もう1/3は、腸内細菌とその死骸です。

食べ物の残りカスや腸内のな粘膜はさておき、腸内細菌とその死骸が1/3も占めるなんて、どういうこと!

と、思われた方もいるかもしれません。

しかし、大腸内には数百兆匹もの腸内細菌が生息しています。

それだけの数の腸内細菌がいれば、便の1/3を構成していてもおかしくないのです。

 

ちなみに、このことからもわかるように食事を少しの間食べなくても便は出ます。

宿便があると言う人は、食事を食べなくても便が出たんだから、これは宿便に違いないと言い張ります。

ですが、断食をしている間に出てくる便は、はがれ落ちた粘膜と腸内細菌がその成分となっていることを知っていれば、これも間違いだということがわかるでしょう。

 

断食の話がでたので、空腹感について少しお伝えしていきます。

実は、すっきりと排泄するのに空腹感はとても大切な働きをします。

 
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健康的な排便習慣に大切な「空腹感」

空腹感とすっきりした排泄にどのような関係があるのでしょうか。

キーワードは、「モチリン」と呼ばれるホルモンです。

このモチリンというホルモンには、大腸の運動を促す働きがあります。

 

大腸は縮こまったり、緩んだりを繰りかえして、便を先へ先へと送り出しています。

モチリンが多く分泌されると、その運動が強くなるのです。

 

まさに便秘の人には、欠かせないホルモンでしょう。

このような働きのあるモチリンを多く分泌させるためには、空腹感が必要です。

空腹を感じたあとに、食事をとるとモチリンが多く分泌されるからです。

 

朝は大腸の動きが活発になる時間帯と言われていますが、それは夕食から朝食までの時間が長いからです。

夕食を19時に食べて、朝食を7時に食べたとすると、半日程度食べ物を口にしないことになります。

そこで、朝食をとるとモチリンがしっかり分泌され、すっきりと排泄することができるのです。

 

ですから、夜ふかししてお菓子をボリボリ食べているような人は便秘になりやすいでしょう。

便秘に悩まれている方は、このような体の仕組みを知って対処するだけでも効果があるかもしれません。

 

まとめ

宿便について解説してきました。

一般的に想像されることが多い宿便とは、大腸にこびりついた便をイメージする人が多いですが、そのようなものはないということがお分かりいただけたと思います。

健康に関する情報は、本当かどうかわからないことが多いです。

人の体は一人一人違うため、ある人に効果があっても、他の人には効果が乏しいということはありえます。

しかし、生理学や解剖学の知識を持っておくと、今回の宿便の話のように、あきらかにおかしいことは分かります。

情報にあふれる現代ですが、本当のことなのかどうか、裏をとるクセをつけておきましょう。

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