今まで一度も下痢になったことがない、という方はいないのではないでしょうか。
すぐにトイレに行ける寛容ならまだいいですが、移動中などトイレにすぐに行けない時には、お腹の痛みに脂汗をかきながら断末魔の苦しみに耐える…なんてことを1度は経験されたことがあると思います。
「日本人の腸とストレスとに関する調査」では
下痢はストレスを感じるときに出てくる症状の第5位
となっています。
ストレスで脳に負担がかかると腸から症状出てくる。つまり腸と脳は深いかかわりがあるという1つの証拠になります。
ではヒトは「なぜ」下痢の症状が出るのでしょうか。実は下痢は放っておくと体にさまざまな悪影響をもたらします。
今回は下痢がどんな悪影響を体に及ぼすのか?またその原因にはどんなものがあるのかをお伝えしていきます。
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なぜ下痢は体に悪いのか?
下痢はみなさんご存知の通り水分を多く含んだ便です。
はっきりとした定義はありませんが、「便の水分量が増して泥状(でいじょう)〜水様(すいよう)になった状態」と言われています。
3週間以上続く下痢は「慢性下痢」といわれます。
では、この下痢になると何が体に悪いのでしょうか。
体に悪い理由の1つは水分を大量に失ってしまうことです。
人間の身体は成人で60%が水でできてると言われていますが、下痢になると便に水分が多く含まれるので、下痢が続くと体に必須な水分がどんどん失われていってしまうのです。
水分が失われ続けると脱水症状が現れたり、発熱や体重減少が起こり体力は低下していきます。
さらに下痢が起こっている時、腸は便を何とか絞りだそうとするため過剰に働いています。
このように腸が過剰に働く、つまり収縮しすぎるとまず腹痛がおこります。
腹痛だけならまだしもよりひどくなると「便失禁」が起こってしまうこともあります。
大人になって「おもらし」をしてしまうことほど恥ずかしいことはありません。
下痢は水分を失って体に悪いということもありますが、便失禁など人の自尊心に関わることもあります。
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なぜ下痢は起こるのか?その原因はさまざま
小腸の問題が原因で起こる下痢は食べ過ぎや、飲み過ぎなど腸の仕事量が過剰になることで起こります。
仕事量が多くなり過ぎて腸が疲労すると働きが悪くなり栄養分や水分の吸収が十分に行われなくなります。それをなんとか体外に出すために下痢という症状が引き起こされます。
この小腸の機能低下は冷たいものを飲む、食べるなどして冷やしすぎることが原因にもなります。
これら飲む、食べるといった食生活を改善することで下痢も良くなることが多いのでそれほど心配はいりません。
大腸の問題が原因で起こる下痢は小腸のものとは反対に腸の動きが活発になりすぎて起こります。腸の動きが活発になるということは、大腸の筋肉が強く収縮するということです。これには痛みを伴います。
急激に発症する下痢は細菌やウイルスにかかって起こる場合です。
代表的なものとしてノロウイルスやO-157などが有名です。
おう吐とともに下痢が起こります。これは最近やウイルスを体外に排出しようとする体の反応です。
ですので、こういったときは決して下痢止めは飲んではいけません。
このように下痢は必要性があって出ている症状でもあるので安易な下痢止めの服用は厳禁です。
下痢に加えて血便が続く場合は潰瘍性大腸炎やクローン病という難病の可能性があります。
このような症状が続く場合は一度病院への受診をお勧めします。
潰瘍性大腸炎についてはこちらの記事でも詳しくお伝えしています。潰瘍性大腸炎は感知するのか?食事から改善の道を探る
もう1つ慢性的な下痢として過敏性腸症候群というものもあります。
これは腸に病気や異常が認められないのに、下痢、便秘、腹痛などの症状が出てくる病態のことをいいます。
過敏性腸症候群は腸が敏感になりすぎちょっとした刺激で過剰に収縮が起こることが原因で起こります。
そのため、特に腸の運動が活発になる朝食の時間をずらす、もしくは欠食することをお勧めしています。
詳しくはこちらの記事でご紹介しています。下痢になるのは朝食のせい!?朝の下痢は過敏性腸症候群かも
まとめ
「下痢でお腹が痛い なぜ放っておくと体に悪いのか?」と題してお伝えしてきました。
ひとくちに「下痢」といってもさまざまな原因があることがお分かりいただけたかと思います。
お伝えしてきたように下痢はお腹が痛くなったり排便がコントロールできない辛い症状ですが、体にとって必要のある反応でもあります。
便自体がそもそも体の老廃物であり排出するべきものです。
特に細菌やウイルスに感染している場合は水分をしっかりとりながら下痢として体外に排出する必要があります。
症状が辛いからといって安易な下痢止めの使用には注意が必要です。
下痢が続く場合は原因が何なのかしっかり判断する必要があります。
場合によっては医療機関での検査を受けて下さい。
またその間も下痢が続いている場合は出た分はしっかり水分補給をして下さい。