便秘への精神・心理療法の有効性について考えてみる。

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精神・心理療法には、催眠療法、リラクセーション法、ストレスマネジメント、対人関係療法、認知行動療法などがあります。

便通と精神面の影響は経験的にも知られています。

例えば、家のトイレではスムーズに排泄できるのに、屋外のトイレではうまく排泄できなかったり、旅行中は便秘がちになるといったことを経験されている方は多いでしょう。

これらはすべて精神面と便通の関係性に関連するものです。

では、治療として精神面にアプローチすると便秘の改善に効果はあるの?というのが今回の記事のテーマです。

便秘に対する精神・心理療法の研究は数が少なく十分に検討されているとは言えませんが、一定の効果があるとの見解が示されています。

以下に、それらの研究についてご紹介していきますのでご参照ください。

 
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慢性便秘と認知行動療法

アメリカの研究では、便通異常の有無にかかわらず腹痛のある女性で、機能性消化管障害患者215名を対象に認知行動療法の有効性を検討したものがあります。

この研究によると上記の患者に対して認知行動療法は有効であり、その有効性は便秘の症状のある群でも認められると報告されています。

具体的には、認知行動療法を行うことで、治療に対する満足度、痛みスコア、生活の質が改善されることが示されています。

ただし、この研究では排便回数は指標に含まれていないようです。

 

ここで認知行動療法とはなんぞや?という疑問の声が聞こえてきそうなのでご紹介しておきましょう。

認知行動療法とは、ある出来事が起こったときに自然と頭に浮かんでくる考えに働きかけて気持ちを楽にする精神・心理療法です。

例えば腹痛になったとき、

  • ご飯を食べ過ぎたからだと憂鬱になる
  • 病院ででた下剤が合わなかったからだと怒りがわく
  • 何か悪い病気にかかったのかと恐怖を感じる
  • 腸がしっかり活動してる証拠だから便通があるかもと安心する

など、同じ腹痛を体験しても感じることは人によって異なります。

認知行動療法では、これらの自然に浮かんでくる考えをストレスの少ないものにできるようにしていく精神療法なのです。

一言で言うと、柔軟な考え方を持つようにすると言えるでしょうか。

アメリカの研究では、このような治療法の有効性が示唆されているのです。

 

ここらは持論ですが、、、

たしかに物事がうまくいかないときって、同じ考え方に固執してしまっていて、他の考え方が入り込むスキマ、つまり余裕がないように感じます。

腸を活動的にするのは副交感神経ですが、この神経は余裕を持ってリラックスしていないとうまく働きません。

旅行先や屋外で排泄しにくくなるのも、副交感神経の働きが鈍くなるからだと言われています。

認知行動療法を行うことで、精神・心理面のストレスが軽くなり副交感神経が活発に働ける環境が整うのかもしれませんね。

そう考えると意識的にリラックスできる環境を整えていくだけでも、便通に良い影響を及ぼすことができるかもしれません。

では、人はどんな時にリラックスしていると感じるでしょうか。

日常の中でリラックスといえば、お風呂を思い浮かべる人も多いと思います。

湯船に浸かってフーッと一息ついているときは、確かにリッラクス効果が高く副交感神経が優位になりやすいと言われています。

ただし、お湯の温度が高すぎると逆効果になってしまうことがありますので、注意が必要です。

いつもシャワーだけで済ませているという方は、湯船につかってリラックスする時間を作ってみてはいかがでしょうか。

 

まとめ

便秘への精神・心理面の有効性を検証したアメリカの研究論文についてご紹介しました。

この論文では認知行動療法によって治療に対する満足度、痛みスコア、生活の質の向上が示されました。

便秘の治療として精神・心理面への影響を考察した研究はまだまだ少ないのが実情です。

しかし、実体験としては精神的なストレスが少ない方が便通もよくなる印象を持っている方は多いでしょう。

上記でご紹介した通り、体を温めるなどリラックスできる時間を多く持つことは、便秘を改善させる一つのヒントになると思います。

参考文献)Grossman DA, Toner BB, Whitehead WE, et al. Cognitive-behavioral therapy versus education  and desipramine versus placebo for moderate to severe functional bowel disorders. Gastroenterology 2003;125:19-31

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