私は、日々患者さんと向き合っている中で、病気になるのは細菌やウイルスだけが原因ではなく、普段の食生活にその原因があることも多いと感じています。
現代人は仕事や家事など、常に精神的ストレスにさらされています。
そして、空気や食べ物も昔と比べて汚染を受けており、様々な「毒」が身体の中に入ってきています。
このストレスや毒素を処理するために必要な栄養素があります。
例えば、体内に入る毒素は体内の脂質に溜まる性質があります。
体の中で脂質の多い場所というのは、脳や卵巣・精巣、内臓脂肪などです。
最近は、不妊症の問題がクローズアップされることも多いですが、体に入ってきた毒は生殖を司る臓器も蝕むわけですから、不妊症にもこの「毒」が一枚かんでいると考えられます。
また婦人科系の問題で生理痛を訴える方も多いですが、その原因となる女性ホルモンやプロスタグランディンなどは、脂肪酸やコレステロールからつくられます。
そして、この元になるのもやはり脂肪なのです。
「毒」が入ってくるとこのような問題が生まれます。
そこに加えて「質の悪い油」を摂取していればより問題は大きくなります。
質の悪い油を代表するものは、マーガリンやショートニングです。
こういった体に入ってきた毒を排泄するためには、大量の酵素やミネラルが必要です。
必要なら補給すればいいや。とサプリメントを飲むということを選択されるかもしれません。
しかしそれでは効果が追い付かないですし、毒素によって腸の機能は低下しているので、せっかく食べた栄養の吸収も妨げられます。
そこで効果的なのが「ミネラルファスティング」です。
ファスティングとは「断食」という意味ですが、これは「マイナスの栄養学」とも呼ばれ、必要最低限のミネラル、ビタミンは摂取し、あとは食事を摂らずに、身体の自然治癒力を向上させるものです。
今回は「ミネラルファスティング」の利点と、実際のやり方、方法について私の体験記も交えて解説していきます。
スポンサーリンク
ミネラルファスティングとは どんなことをするの?
ファスティングとは上記した通り「断食」を意味します。
昔は修業の一環として行われたりもしていましたが、現代ではダイエットやデトックス(毒素の排泄)、体質改善、生活習慣病の予防などさまざまな目的で行われます。
ミネラルファスティングではまったく何も口にしないわけではなく、人が生きていくうえで必要な酵素やミネラル、ビタミンを十分に含むドリンクを飲みながら行います。
このドリンクを「酵素ドリンク」と呼びます。
ちなみに酵素ドリンクと名前はついていますが、これには酵素は含まれていません。
消化に酵素を使わずにすむように、低分子化されたビタミンやミネラルが含まれているので、体内の酵素を無駄遣いせずに体内の代謝酵素を効率的に働かせられるものが酵素ドリンクです。
これは生野菜などを利用して自分で作ることも可能ですが、時間や手間がかかり作り置きもできません。また使う食材が無農薬かどうか、栄養のバランスが良いかなどを自分で調べることは難しいです。
そのため専門知識を持たない人が作る酵素ドリンクは大変危険です。
ちなみに私がミネラルファスティングの際に利用している酵素ドリンクはマナ酵素というものです。
スポンサーリンク
ミネラルファスティングとは どんなメリットがあるの?
ミネラルファスティングを行うことで、普段は食事からドンドン体に入ってくる毒の排泄に使われる「酵素」や「ミネラル」を体の代謝に利用でき、内臓の機能が高まります。
体内にある酵素は消化酵素と代謝酵素の2種類があります。
ミネラルファスティング中は「消化」の仕事が少なくなるので、「代謝」に回される酵素が多くなり細胞の入れ替わりや体に溜まった毒の排泄を行うことができます。
酵素については、以前の記事でも詳しくご説明しています。
このようにミネラルファスティングのメリットは、必要な栄養素を無駄遣いせずにすむ、というところにありますが、その他にもさまざまなメリットがありますので解説していきます。
①ダメだと分かってるけど、ついやってしまうことをリセットできる
ミネラルファスティングを行うことで、身体のリセットはもちろんですが、辞めたいと思っていてもなかなかやめられなかった習慣を捨てるきっかけになります。
例えば、甘いお菓子を食べてはいけないと頭では思いつつも、つい手を伸ばしてしまうという方も、ミネラルファスティングを行うことで一旦やめることができます。
砂糖は特に依存性もあるので、ファスティング中に口にしないことで冷静にどうするべきか考えることができます。
そこで今後どうするべきか考えることで「自分から行動する」ことができ、ファスティング後に主体的に生活していけるひとつのきっかけになります。
②夫婦で取り組める
ミネラルファスティングを初心者の方が行う場合、半日・1日・3日のどれかから行うことになりますが3日間、食べ物を口にしないというのは一般的な感覚からは「異常」に感じられることもあります。
そこで、夫(もしくは妻)から「そんなことして大丈夫?」と言われて、それがストレスになり結局やらずじまい、ということもあります。
しかし、ミネラルファスティングの効果は絶大ですので、一度経験すれば効果を感じることができます。
夫婦で一緒に取り組むことで、その効果をお互いに実感することができます。
すると、ファスティング後にその過程の食生活をスムーズに変えていくことができます。
ファスティングは基本的に子供はできないのですが、両親が食事の重要性に気付いている家庭なら、子供にもきちんとした食事の指導が可能ですので、家族ぐるみでよい習慣を身に付けることができます。
③自分で身体のメンテナンスができる
「食べ物で治せない病気は、医者でも治せない」という言葉は、かの有名なヒポクラテスの言葉です。
きちんとした食事を摂ることが一番の薬になるのです。
そして、その食事を始めるきっかけがミネラルファスティングなのです。
自分で考えて行動することで、自分や家族の健康を自らで守っているという意識を持つことができます。
ミネラルファスティングの一番の利点は、この意識を持てるということです。
ミネラルファスティングの実際
ここからは、ミネラルファスティングの実際のスケジュールについて、私の体験を交えながらお伝えします。
ミネラルファスティングは準備食と回復食が重要です。
今回は私が体験した3日間のファスティング(ファスティング期間3日+準備期間2日、回復食期間2日)をお伝えしていきます。
ミネラルファスティング1日・2日目(準備食)
ファスティングは、3日目から本当の解毒(デトックス)が始まります。
準備食がきちんとできていないと、デトックスのスイッチが入るのが遅くなります。
この期間は肉や魚、甘いもの、油を避けて下さい。
食事はバランスよく摂取します。
食事をバランスを考えるときに有効なのが「マゴワヤサシイ」です。
これは食材の頭文字を取ったとものです。
マ:豆類
ゴ:ゴマなどの種子類
ワ:ワカメなどの海藻類
ヤ:野菜
サ:魚
シ:しいたけなどのキノコ類
イ:イモ類
これらを1日の食事で網羅できるように摂取すると、バランスの良い食事となります。
準備食2日目の夕食は20時までに済ませ、内容は軽い食事で済ませるようにしてください。
ミネラルファスティング 3日から5日目
ファスティング期間中は、酵素ドリンクと水2ℓ以上で過ごします。
1日に飲む酵素ドリンクの量はものによって違いますが、今回は私が使用したマナ酵素を例にとり、お伝えしていきます。(違う酵素ドリンクを使われる方は説明をよく読んで実行してください)
マナ酵素は1日に320ml程度を6~7回に分けて飲みます。
水やノンカフェインのお茶はこまめに飲みます。
ミネラルファスティングの注意点1
普段、塩分や砂糖を過剰に摂取している方はファスティング中に頭痛が起こることがあります。頭痛が起こった場合は天然塩を少々摂取すると和らぐことが多いです。
ミネラルファスティングの注意点2
気分が悪くなる方もいらっしゃいますが、これは血糖値が下がることが原因であることが多いです。その場合はマナ酵素を多めに飲みます。吐き気がする場合は、ファスティングを中止します。
ミネラルファスティングの注意点3
便通について
1.便秘になる方:腸の動きが少なくなるため便秘がちになる場合もあります。問題はありません。
2.いつもより良く出る方:栄養が乏しいため腸内細菌は死んでいきます。その死骸や、代謝が活発になるため腸壁がはがれ落ちた物がでます。
3.水様便になる方:水分吸収が追い付いていないということです。問題はないのですが、1回に飲む量を少なくして、頻回に飲むようにしてください。
ミネラルファスティングの体験記 断食1日目
ファスティング1日目仕事が休みで、基本的に家でゆっくりしていました。夕方ぐらいから空腹感が強くなり、頭は少しボーっとする感じでした。
また食べられないイライラ感や、頭痛も少し感じましたがひどくはなかったので塩などは舐めずに過ごし夜は早めに就寝しました。
ミネラルファスティングの体験記 断食2日目
夜はぐっすり眠れてスッキリとした目覚めでした。
この日は仕事でしたが空腹感を感じはしましたが特に問題なく、こなすことができました。
初日と違い頭痛もなく過ごせ、心なしか気持ちが軽くファスティングを楽しみながら過ごすことができました。
ミネラルファスティングの体験記 断食3日目
断食3日目ともなると頭がボーっとする感じがあり、夕方からは脱力感と倦怠感もありました。
しかし、仕事が普通にできる程度であったので、大きな問題ではなかったと思います。
また、嗅覚が少し敏感になっているようにも感じました。
3日間の断食を通してですが、空腹感もそれほど強くなく案外大丈夫なものだなという感想でした。
また、マナ酵素もおいしくいただけて楽しく過ごせた3日間で、もう2、3日やっても大丈夫かな?というぐらいの余裕を残して断食期間を終了しました。
ちなみに、この3日間を通して体重は3㎏程度落ちました。
ミネラルファスティング6日・7日目(回復食)
この回復食が最も大切です。ファスティングにより体が栄養を吸収しやすくなっているためです。
この期間に食が乱れると体調を崩しやすいです。
ミネラルファスティング6日目
6日目は肉や魚は避けます。
朝食:おもゆ(味付けなし)のみ(※おもゆとは、おかゆを作ったときにできる上澄みのことです)
昼食:おかゆ(梅干しや天然塩)
夕食:おかゆ、すりおろした野菜やスムージー
で過ごします。
ちなみに、私が夕食で食べたスムージーの写真を載せておきます。
スムージー(小松菜、大根の葉、梨で作りました)
朝食の「おもゆ」は体に染み込むおいしさでした。
昼食、夕食もおかゆやスムージーを少量食べるだけでお腹いっぱいになりました。
また朝、便意をもよおしてトイレに行ったのですが、便やガスが臭わなくて驚きました。
ミネラルファスティング7日目(最終日)
マゴワヤサシイで過ごします。
7日目以降もマゴワヤサシイで過ごします。
ファスティングにより味覚がリセットされていますので、食材の味の感じ方が違うと思います。
その食材の本当のおいしさを噛みしめて、食事を摂ってください。
その上で、たまの外食はおいしく食べて家庭での食事はバランスを気を付けて下さい。
ファスティングを通して一番の収穫は食事の合間にしていた間食をやめられたことです。
間食は良くないと思いつつもストレス解消の目的もあり、ついつい手が伸びていたのを辞めることができました。
食に対する考え方が変わり、日々口にする物にも気を遣うことができるようになりました。
まとめ
ミネラルファスティングの実際について、体験談を交えてお伝えしてきました。
ファスティングはダイエットなどの効果もありますが、一番は解毒と食に対する意識のリセットができることがそのメリットです。
正しい食事というのは先人が行ってきたものです。「原点回帰」して食を見直すためにファスティングというのは有効な手段です。
正しく行えば効果的なミネラルファスティングですが、断食を行うものですので方法を間違えると危険な面もあります。
実際にマナ酵素を使ったファスティングを行う場合は、ファスティングマイスターの資格を持った方のアドバイスが必要です。
また水だけで行うファスティングは大変危険ですので、行わないようにして下さい。
正しい方法でファスティングを行い、美しく健康な身体になりましょう。