ウォーキングで筋肉痛がふくらはぎ、腰、おしりに!治し方は?

健康によい運動といえば、ウォーキングを思い浮かべられる方が多いのではないでしょうか。

実際さまざまな研究によって、ウォーキングの有効性が証明されてきています。

体重や体脂肪が減少し、メタボリックシンドロームの予防になる。

血圧やコレステロールの数値が安定する。

腸が刺激されることで便通が改善する。

などなど、ウォーキングの有用性を伝える研究は数多くあります

 

こんなに有効なウォーキングですが、急にたくさん歩き出すと、体が追い付かず筋肉痛になってしまうこともあるでしょう。

筋肉痛が長引くと、また歩くのが億劫になり、3日坊主になってしまうことも・・・

 

そこで今回は、ウォーキングで筋肉痛が起こる原因や、筋肉痛が起こった時の治し方を解説していきます。

 

ウォーキングで筋肉痛になるのはなぜ?

ウォーキングで筋肉痛になるのは、単に運動不足だからです。と言ったのでは元も子もないので、足の構造から詳しく解説していきます。

 

言うまでもありませんが、人間は直立二足歩行をします。

二足歩行では、地面に接地するのは足だけです。

足で全体重を支え、バランスをとりウォーキングを行います。

 

立ったとき足は体全体の土台となります。

土台である足に変形などの異常があると、その上にある膝関節や股関節は影響を受けます

積み木を積み上げるときも土台がしっかりしていないまま、上に上に積み続けると、どこかで全体のバランスが崩れ倒れてしまいますが、それと同じです。

 

足の変形で有名なのは、外反母趾[がいはんぼし]偏平足[へんぺいそく]などです。

一度は名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。

足にはアーチと呼ばれる構造があります。

 

足の中でも体重を主に支えるのは、親指の付け根、小指の付け根、踵の3点です。

この3点は、虹がかかるようにアーチを描いて結ばれています。

アーチは3つあり、親指の付け根と踵を結ぶ内側縦アーチ、小指の付け根とかかとを結ぶ外側縦アーチ、親指の付け根と小指の付け根を結ぶ横アーチがあります。

画像で確認してみましょう。

ウォーキング筋肉痛 治し方 足アーチ

これらのアーチによって体重を分散させながら支え、歩いたり走ったりする時には衝撃を吸収してくれます。

 

しかし外反母趾や偏平足などの変形があると、これらのアーチが崩れうまく体を支えたり、衝撃吸収ができなくなります。

このような足の変形は、もともとの体質や普段はいている靴が合っていないなどの理由もありますが、現代人は運動不足によって筋力が低下し、足のアーチを維持できなくなっていることが多いです。

筋肉痛が起こるのは、もちろん普段の運動量が足りないということもあるでしょうが、上記したように足の変形によって衝撃が吸収できず、疲労がたまりやすくなっていることも原因のひとつです。

 

ウォーキングで使う筋肉とは

ウォーキングで筋肉痛が出るところは、当然ウォーキング時によく使う筋肉です。

ウォーキングのときに使う筋肉が分かっていれば、筋肉痛が出る場所というのも大まかに検討がつきます。

筋肉痛が出やすいところが分かっていれば、準備運動の段階でその筋肉を重点的にストレッチするなどの対策が取れます。

またウォーキング後も、その筋肉を重点的にマッサージしていれば、疲労がとれやすく筋肉痛も起こりにくくなります。

 

筋肉痛が起こる前に事前に対策がとれるように、ウォーキングで使う代表的な筋肉を確認してみましょう。

 

前脛骨筋

ウォーキング 筋肉痛 前脛骨筋

 

腓腹筋

ウォーキング 筋肉痛 腓腹筋

 

ヒラメ筋

ウォーキング 筋肉痛 ヒラメ筋

 

後脛骨筋

ウォーキング 筋肉痛 後脛骨筋

 

長腓骨筋

ウォーキング 筋肉痛 長腓骨筋

 

短腓骨筋

ウォーキング 筋肉痛 短腓骨筋

 

大腿二頭筋

ウォーキング 筋肉痛 大腿二頭筋

 

半腱様筋

ウォーキング 筋肉痛 半腱様筋

 

半膜様筋

ウォーキング 筋肉痛 半膜様筋

 

内転筋群(画像は大内転筋)

ウォーキング 筋肉痛 内転筋

 

大腿四頭筋

ウォーキング 筋肉痛 大腿四頭筋

 

大殿筋

ウォーキング 筋肉痛 大臀筋

 

中殿筋

ウォーキング 筋肉痛 中臀筋

 

小殿筋

ウォーキング 筋肉痛 小臀筋

 

大腰筋

ウォーキング 筋肉痛 大腰筋

 

腸骨筋

ウォーキング 筋肉痛 腸骨筋

 

※上記の筋肉はおおむね、骨盤より下の筋肉ですが、ウォーキングは全身運動なので、骨盤上の筋肉も多く使用します。

また骨盤より下の筋肉であっても、細かな筋肉まではのせていません。

上記はあくまでも、ウォーキングに使う筋肉の中でも代表的なものをのせています。

 

ウォーキングで筋肉痛がふくらはぎ、腰、おしりに出た時の治し方

筋肉痛をなるべく早く治すには、硬くなった筋肉をストレッチでゆるめることと、血流を促し老廃物を筋肉から取り除くことが大切です。

まずは背中側の筋肉であるふくらはぎ、腰、おしりに筋肉痛が出た時の治し方を解説していきます。

これらの背中側の筋肉はウォーキング時に、前方への推進力を生み出すために使われる筋肉です。

早く歩こうとしたり、大股で歩くときによく使われる筋肉です。

 

ふくらはぎの筋肉痛の治し方

ふくらはぎを構成する筋肉は2種類あります。

腓腹筋ヒラメ筋です。

  • 腓腹筋
  • ヒラメ筋

 

腓腹筋は膝上の大腿骨から始まりますが、ヒラメ筋は膝下の脛骨や腓骨から始まります。

そしてこの2つの筋肉が踵の方に伸び、ともにアキレス腱となり踵に付着します。

腓腹筋とヒラメ筋は始まりの位置が膝上と膝下に分かれているので、ストレッチの仕方も異なります。

 

まずは腓腹筋のストレッチを確認しましょう。

ウォーキング筋肉痛 腓腹筋ストレッチ

写真の様にストレッチしたい方の脚を後ろにして、壁をしっかり押します。このとき踵が地面から離れないようにします。

ふくらはぎが伸びている感じがあれば、しっかりストレッチできています。

 

一方、ヒラメ筋をストレッチするときには、同じように壁を押すのですが、膝を曲げた状態で行います。

ウォーキング筋肉痛 ヒラメ筋ストレッチ

この時、腰を下に沈めるようにすると、よりヒラメ筋が伸ばされます。

アキレス腱のあたりに伸びている感じがあれば、ヒラメ筋がしっかりストレッチできています。

ストレッチはそれぞれ30秒ずつ行います。

 

ふくらはぎのマッサージは足の方から、心臓の方(体の方)へ血液を戻すイメージで行いましょう。

筋肉痛が強い場合は、刺激は控えめに行いましょう。

 

 

腰の筋肉痛の治し方

まずは腰の筋肉のストレッチ方法からです。

このストレッチでは、お尻から腰の筋肉が全体的に伸ばされます

お尻の筋肉と腰の筋肉はつながりがあるので、一緒にストレッチした方が効果的です。

ストレッチは30秒程度行います。

ウォーキング筋肉痛 腰ストレッチ

反対側も同様に行います。

 

続いて、両膝を抱えます。

ウォーキング筋肉痛 腰ストレッチ

背中を丸めるようにすることで、腰の筋肉がしっかり伸ばされます。

 

腰の筋肉のマッサージは自分では行いにくいです。

そんなときに役立つのが、ランブルローラーです。

写真のようにローラーに突起がついており、この突起で筋肉を適度に刺激してくれます。

ですが筋肉痛が強い時には、ランブルローラーを使うと刺激が強すぎるかもしれませんので、その辺は考慮してください。

腰の筋肉をランブルローラーで刺激するときにはこのような格好で行います。

ウォーキング筋肉痛 ランブルローラー腰

 

おしりの筋肉痛の治し方

おしりの筋肉のストレッチ方法です。

 

膝を抱え込み、胸の方に引き寄せます。

ストレッチは30秒程度行います。

ウォーキング筋肉痛 殿筋ストレッチ

先ほどの腰の筋肉のストレッチも合わせて行います。

ウォーキング筋肉痛 腰ストレッチ

おしりの筋肉のマッサージは、腰と同様にランブルローラーを使用すると良いです。

このように行います。

ウォーキング筋肉痛 ランブルローラー殿筋

ランブルローラーが無ければ、硬式のテニスボールをお尻に入れて、コロコロ転がすだけでも、よい刺激になります。

 

ウォーキングで筋肉痛が太ももに出た時の治し方

筋肉痛が太ももにくる場合ですが、太ももにはからだの前面にある大腿四頭筋と、後面にあるハムストリングスがあります。

まずは前面にある大腿四頭筋から解説します。

大腿四頭筋の筋肉痛の治し方

大腿四頭筋のストレッチ方法です。

 

膝を折り曲げて、体を後ろに倒します。

ウォーキング筋肉痛 大腿四頭筋ストレッチ

太ももの前側が突っ張っていればしっかりストレッチできています。

大腿四頭筋には手が届きますので、ふくらはぎの時と同様に足の方から心臓の方(体の方)へ、血液を流すようなイメージでマッサージしてください。

 

ハムストリングスの筋肉痛の治し方

ハムストリングスとは太ももの後面側にある筋肉の総称で、大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋から構成されます。

ストレッチするときには一緒に行いますので、それぞれの筋肉の違いはあまり意識しなくても大丈夫です。

まずはストレッチ方法です。

 

膝の裏を両手で抱え、そこから膝を自分の力で伸ばしていきます。

ウォーキング筋肉痛 ハムストレッチ

太もも裏が伸ばされる感覚があれば、ハムストリングスがしっかりストレッチできています。

片側30秒程度で両側行いましょう。

ハムストリングスも手が届くと思いますので、大腿四頭筋と同様にマッサージをしましょう。

 

ウォーキングで筋肉痛がすねに出た時の治し方

すねの痛みを出す筋肉は前脛骨筋です。

 

この筋肉はストレッチするよりも直接もみほぐした方が良いです。

脛骨(すねの骨)の外側にある前脛骨筋を指で押して、もみほぐしてください。

 

ウォーキングで筋肉はつくの?

結論から言うと、ウォーキングでも筋肉はつきます

ただし条件があります。

ウォーキングで筋肉をつけるためには、速歩きをすることです。

速歩きをすることで、血中の乳酸濃度が上昇します。

乳酸濃度が上昇するほどの運動を行うと、筋肉は損傷します。

損傷した筋肉を修復するために、アミノ酸を取り込み、修復の過程で筋肥大が起こります。

この現象は、のんびり歩いていたのでは起こりません。

 

健常者であれば、心拍数が130~140回/分になるくらいの運動量、もしくは時速6km程度でのウォーキングがう筋肉をつけるために必要な負荷といえるでしょう。

筋肥大つまり筋肉をつけるには、1回や2回ウォーキングをしただけではダメです。

週に3~4回、1回あたり30分程度の運動を、最低でも3ヶ月は続ける必要があります。

 

朝のウォーキングで便秘も改善!

ところで、ウォーキングに使う重要な筋肉の1つに腸腰筋があります。

この腸腰筋は、便をつくる小腸や大腸の真後ろに位置しています。

 

ですからウォーキングで腸腰筋を使うことで、腸に刺激が加わり、それによって便通も促され便秘解消につながります。

腸腰筋は体を動かす際の起点になる筋肉で、ウォーキングに限らず様々な運動で使われます。

便秘解消には運動することが大切。ということはよく言われますが、それは腸腰筋の活動によって腸に刺激が加わるためと言われています。

 

ウォーキングで腸腰筋をしっかり使うためには、大また歩行をするのが良いです。

便秘でお悩みの方は、いつも歩く時より歩幅を大きめにとって、ズンズン歩いてみましょう。

また、腸が1日の中で最も働きやすいのはです。

ですから早朝ウォーキングを行うと、より腸に刺激が加わります。

歩き終わった後には快便かもしれません。

 

まとめ

ウォーキングで筋肉痛になる原因や、なった時の治し方、筋肉のつけ方、便秘の治し方までお伝えしました。

ウォーキングをせっかく始めたのに、筋肉痛が辛くてすぐにやめてしまったというのはもったいないです。

運動をし始めた時には、どうしてもある程度は筋肉痛が出ますが、それも運動に慣れてくれば、治まってきます。

せっかく良い習慣を手に入れようとしているときに、途中で挫折することが無いように、筋肉痛が出た時には今回ご紹介した方法で、筋肉痛を乗り切ってください。