- 便秘だといつ「もよおす」か分からず、たびたびトイレに行くので周囲の目が気になり恥ずかしい
- 便秘がひどくなると口臭や体臭もキツくなるんじゃないかと不安
- 冷えやコリが慢性的にあるのは、もしかして便秘と関連しているんじゃないかと思う
- 便秘になるとイライラして夜も眠れなくなる つい夫や子どもにあたってしまい後悔することも
- いろいろ便秘対策をしてきたのにすっきりしない 下剤の量がだんだん増えてきて将来が心配
下剤で便秘は治るのか?
下剤は使い続けると大腸がその刺激に慣れ、その結果下剤の量が増えたり、下剤なしでは排泄できない体になってしまうことがあります。
また下剤での強制的な排泄は、本来なら大腸内で健康な体を作る腸内細菌も一緒に流出させて、余計に便秘をひどくすることもあります。
健康な体づくりは腸から
はじめまして。理学療法士、整腸セラピストの坂井正宙です。
このページを真剣に読んでいるあなたは便秘による辛さに本当に悩んでいる方だと思います。
便秘をよくするために、水分摂取を心がけたり、食物繊維もとるようにしているかもしれません。
しかし現実として便秘は改善せず、下剤に頼らざるおえない状況なのではないでしょうか?
そんなあなたは心の中でこう思っているはずです。
「出来ることなら下剤は使わず自分の力で便秘をスッキリとさせたい」と。
あなたのそのお気持ちはとても良くわかります。私は以前、理学療法士として病院勤務をしていました。
「病気や怪我で苦しむ人の力になりたい」と思い、週末には日本各地の研修会に参加し、技術を磨き、病院での臨床経験を積んできました。
そんな中で腸の状態が全身の健康状態に大きく影響を及ぼしていることや、腸が悪い方は便秘に悩んでいる方が多いことに気が付いたのです。
こうして便秘の方と向き合うようになりました。
ですが病院での便秘治療は問題が多くありました。
便秘の治療には下剤の処方が一般的で、それ以外の治療はほとんど行われないことが多かったのです。
体に関わる仕事をしている理学療法士として、この現状をなんとかしなければならないと感じました。
そして、文献を読み漁り、さまざまな研修会に参加してきました。
そこで得た知識や技術を使って、整腸セラピストとして自身の整体院で整腸セラピーを行い始めました。
私の施術により便秘の悩みから解放される方は多くいました。しかしそんな中でも、思うように効果が見られない方がいたのです。
「なぜだろう?」
改善させることができない自分に悔しさを感じ、カルテを見直しながらその方たちの特徴を洗い出しました。
すると、なかなか改善しない方たちにはある共通点があったのです。
その方達は整体には通っていても、日常生活の中での食事や水分のことは面倒くさがり、実践できていなかったのです。
そのことが分かってからは、便秘解消のためには生活習慣の改善も重要であることを口すっぱく伝えていくようにしました。
便秘をよくするためには、腸やその周辺の筋肉など体の状態を良くすることに加えて、食事、睡眠などの生活習慣も見直していくことが必要なのです。
今回出版した「図解入門 よくわかる便秘と腸の基本としくみ」には便秘解消のために培ってきた私の知識が詰まっています。
便秘で便がたまるのは大腸ですが、便秘の解消法を理解するためには、内臓全体のしくみについて理解しておかなければなりません。
見慣れない医療用語もあるかもしれませんが、 なるべくわかりやすく説明します。また各節ごとに用語解説を記載したので、合わせて確認するとより理解が深まるでしょう。
- 食べ物の消化を担う消化管とは?
- 腸の構造と役割
- 腸は免疫機能の中心
- 驚くべき腸内細菌の働き
- 腸は第二の脳
- 腸の働きが悪くなるとうつ病になる
- 腸の働きには他の臓器の協力が大切
- 栄養とリハビリ
コラム なぜ直腸はガスとうんちを識別できるの?
第2章
本章では、私たちが普段何げなく行っている排便のメカニズムについて、筋肉や神経等さまざまな角度から解説します。
便秘を改善していくためには、まずは排便のメカニズムを理解しておくことが必要です。
便秘の分類や検査法、下剤についても解説しているので、初めて聞く方は基礎知識として学んでください。また何となく知っていたという方は、 知識の整理にお役立てください。
- 排便のメカニズム
- 肛門の筋肉の構造
- 直腸や肛門の感覚器官の働き
- 便秘ってどんな状態?
- 日本の便秘人口
- 便秘の分類
- 女性と高齢者が便秘になりやすい理由
- 便秘の検査
- その便秘、下剤だけでいいの?
- 便秘ケアの基本
- 下剤を使う目的
コラム 宿便って何?
第3章
健康的な便は臭いが少なくスッキリと排泄できますが、一方で体が不健康なときは、悪臭が強かったり、便秘あるいは下痢となりやすいです。
このように便の量や形状、においなどで健康状態を把握することができます。
本章では、便のチェック方法を詳しく解説します。便のチェックを簡便に行うために、ブリストルスケールという評価表があるので、そちらも紹介します。
- うんちは何でできている?
- うんちの性状を判別するブリストルスケール
- 水分の出入り、うんちの水分量
- うんちの色で健康状態がわかる
- うんちの量や回数はどれくらいが普通?
- 臭いうんちの原因は?
- おならは何からできている?
- 便秘で体臭がうんちのにおいに!
コラム ダイエットと腸内細菌
第4章
本章では、便秘治療で基本となる問診の仕方や排便日誌の書き方、その活用方法などについてお伝えします。
せっかく情報収集をしても、それをうまく活用できなければ意味がありません。
本章を参考にして効率的に情報収集を行い、うまく活用してください。
また、便秘を改善させるためには、食生活の改善が欠かせません。
食物繊維や乳酸菌を豊富に含む食材の紹介やその選び方など、便秘解消のための食事について基本をわかりやすく解説しています。
- ただの便秘と思うと大きな落とし穴!
- 問診の準備と問診中の注意点
- 具体的な問診項目
- 効果的な排便日誌のポイント
- 排便日誌を用いた他職種との連携
- 排便状態の観察
- 便秘改善に効果的な食事
- 食物繊維の間違ったとり方で便秘が悪化する
- 乳酸菌で腸内環境を改善
- 便秘を改善する油のとり方
- 本当に怖い食品添加物
- ぜったい三食たべないといけない?
- 排便習慣のつくりかた
- メンタルケアの必要性
コラム 便秘とお肌の関係
第5章
本章では、便秘解消に効果的なストレッチや筋トレ、腸もみ、そしてトイレでの姿勢やツボについても解説しています。
理学療法士ならではの視点で書きましたので、食事や水分摂取、便秘薬とも違う、便秘改善についての新しい見方ができるようになると思います。
今まで便秘改善のためにいろいろ試したけどダメだったという方は、本章をしっかり読んで実践してみてください。
- 運動が便秘に与える影響
- 便秘を解消するストレッチと筋トレ(理論編)
- 腸腰筋のストレッチ(実践編)
- 腸腰筋の筋トレ(実践編)
- 体幹筋の筋トレ(理論編)
- 体幹筋の筋トレ(実践編)
- 便秘解消のための腸もみ(準備編)
- 便秘解消のための腸もみ(実践編)
- 便秘を解消させる呼吸法
- 温熱で自律神経を整える
- 解剖学でわかる排便に適したトイレ姿勢
- 便秘に効果的なツボ押し
- 便秘に効くお腹、背中のツボを指圧で刺激
- 便秘に効く上肢、下肢のツボを指圧で刺激
コラム ポッコリお腹は便秘のせい?
第6章
本章では、便秘解消のために知っておくと役立 つ、ちょっとしたコツや裏技を解説します。
便秘解消を目標に最初から気合を入れてあれこれ実践できる人もいれば、なかなか行動できない人もいると思います。
後者に当てはまる人は、 本章の内容を何か一つだけやってみるとよいか もしれません。
一つ取り組んでうまくいくと、その後もスムーズにいろいろ取り組めます。何事もまずは実践してみるところから始めましょう。
- 水分摂取足りていますか?
- 便秘を解消する水分の摂取方法
- 水分摂取に適した飲み物とは?
- 腸の働きをつかさどる自律神経
- 自律神経を整える睡眠法
- 熟睡するためのベッドポジショニング
- トイレでのひと工夫1(アロマセラピー)
- トイレでのひと工夫2(音楽)
- トイレでのひと工夫3(姿勢)
- 便意のガマンは禁物
- いきみ過ぎには要注意
- 日本人には合わない乳製品
- 日和見菌を味方につける
- カフェインと便秘の関係
コラム イライラするのは便秘のせい? 腸内細菌の意外な働き
第7章
本章では、便秘の陰にひそむ病気や、便秘にと もなって出てくる症状について解説します。
近年話題になっている大腸がんや過敏性腸症候群などの病気から、肩こり、腰痛、生理痛などの気になる症状まで解説していきます。
本章を読めば、便秘のままでいることがいかに リスクにつながるかをご理解いただけると思いま す。
便秘をあなどって痛い目を見ないよう、本章をしっかり読んでください。
- 便秘には重大な病気が隠れていることも
- 便秘と大腸がんの関係
- 便秘と下痢を繰り返す=過敏性腸症候群
- 何をやってもダメ、もしかして直腸瘤?
- 出したいのに出せないアニスムス
- ひどい生理痛の原因は便秘だった
- 自律神経が乱れると、不健康になりやすい
- 肩こりや腰痛の原因が実は便秘かも
- 便秘の意外な原因、ストレス
- 便秘と痔の関係
- 便秘のときは何科にかかる?
- 便秘と生活の質
コラム 便秘になると風邪をひきやすい?
右ページには便秘や腸についてわかりやすく解説し、左ページには内容をイメージで理解できるようにイラストを載せています。医療用語など読みにくい感じにはふりがなをつけ、重要な単語は左ページ下で解説しています。
[colored_bg color=”light‐purple” corner=”r”]最後に[/colored_bg]便秘になると腸の中は便で埋め尽くされます。
そんな状態では腸だけではなく、体全体が不健康な状態に陥ってしまいます。
それは腸が栄養を吸収する唯一の器官だからです。
腸が健康でなければ、十分に栄養を吸収することができないのです。
この本には、便秘を解消するための方法がたくさん詰まっています。
それも理学療法士の視点で書いているので、便秘を解消するための筋トレやストレッチなど、今までに無い1冊になっています。
この本を通して1にんでも奥の方が、便秘を解消し健康な体を手に入れられることを願っています。
ぜひお手にとっていただき、ご感想をお伝えいただければと思います。