下行結腸の痛みとは?解剖図による位置や病気まで解説!

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下行結腸【かこうけっちょう】をご存知でしょうか。

名前にもある通り、結腸の一部で左の脇腹あたりに縦状に存在しています。

結腸とは大腸の大部分を占める臓器で、下行結腸の他に上行結腸【じょうこうけっちょう】、横行結腸【おうこうけっちょう】があります。

普段あまり注目されることのない下行結腸ですが、排泄する便を作るために日夜運動をしたり、近年注目されている腸内細菌が多く生息する場所でもあります。

 

ところで下行結腸に痛みが出る時には、どのような原因があるのかご存知でしょうか。

実は、下行結腸は他の結腸と比べて血管の分布が少なく、血流が乏しいという解剖学的な特徴があります。

この特徴により、腸の血流障害によって引き起こされる虚血性大腸炎が発生しやすいのです。

虚血性大腸炎は便秘がちの人や高齢者で起こりやすい病気で、突然に下行結腸のある左下腹部に痛みを引き起こします。

この他にも、下行結腸に痛みを引き起こすことのある潰瘍性大腸炎という病気もあります。

 

今回は、下行結腸の位置や特徴を解剖図を用いて確認し、そこで引き起こされる病気についてお伝えしていきます。

 
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下行結腸の痛みを引き起こす虚血性大腸炎

まずは、下行結腸の位置を図で確認しておきましょう。

下図で黄色く示しているところが下行結腸です。

下行結腸 位置 図

大腸の模式図でも見てみましょう。

下行結腸 位置図

 

ちなみに、大腸は内容物を先に送るために蠕動運動、分節運動、振子運動という3パターンの動きをしますが、下行結腸で行われる運動は蠕動運動が主です。

大腸の運動については、こちらの記事でより詳しく解説しています。

参照)大腸の動きはどんな動き?大腸の運動について解説!

 

さて虚血性大腸炎についてですが、冒頭でもお伝えした通り、下行結腸は血流低下が起こりやすい部位です。

その下行結腸が何らかの原因により、病的な血流障害を引き起こすと虚血性大腸炎となります。

ここで結腸の動脈分布を見てみましょう。

下行結腸 位置 図 血管

画像では下行結腸に動脈分布が数が少ないということが少々分かりづらいですが、解剖学的にはそのように言われています。

 

虚血性大腸炎の原因は若年者では、便秘であることが多いです。

高齢者でも若年者と同様に便秘が原因となりますが、それ以外にも動脈硬化などの血管の老化現象も原因となります。

虚血性大腸炎は再発することは比較的少なく、約10%程度とされていますが、裏を返せば10%は再発しているということですので、便秘によって発症した人は、排便習慣を整えておくことが対策となります。

 

虚血性大腸炎を発症すると、突然の左下腹部痛とともに、水のような下痢便や下血などがみられます。

この時の左下腹部痛は、押した時に痛みが強くなるという特徴があります。

 

虚血性大腸炎の治療は、絶食や点滴などを行うことが多く、手術にまでは至らないケースが多いです。

しかし、重症化すると腸を切り取る手術が必要になることもあるので、油断はできません。

 

なお、虚血性大腸炎が発症する割合は、

  • 下行結腸 34~50%
  • S状結腸 32~40%
  • 横行結腸 20%
  • 上行結腸 6%
  • 直腸、回盲部 各4%

となっています。

ですから、虚血性大腸炎が下行結腸で発生しやすいというのは間違いではありませんが、その他の部位で発症することもあります。

発症する部位が違えば、左下腹部だけでなく、その臓器のある周辺に痛みが出ますので注意が必要です。

 

下行結腸が痛む病気は他にもある 潰瘍性大腸炎

下行結腸の痛みを引き起こす病気は虚血性大腸炎他にもあります。

ここでは、潰瘍性大腸炎をご紹介します。

潰瘍性大腸炎は、原因がはっきりとわかっていない難病です。

直腸から大腸内に炎症が起こり、S状結腸、下行結腸へと連続的に病気が広がっていきます。

重症例では大腸全体に炎症が広がります。

上記のように直腸から始まるという病気の特徴から、下行結腸に炎症が及んでいる時は、比較的初期の段階ということです。

 

潰瘍性大腸炎は10歳代〜30歳代の若年者に多いという特徴があります。

食の欧米化やストレスが発症の誘引となっているようですが、はっきりとした原因はわかっておりません。

 

治療は薬物療法から始まります。

潰瘍性大腸炎は良くなったり、悪くなったりを繰り返す特徴があるので、病気の状態に応じて薬の種類や量も調整されます。

病気が良くならず重症化するケースでは手術により、大腸の一部もしくはすべての摘出が行われることもあります。

 

下行結腸の解剖学的特徴と便秘

続いて、下行結腸の解剖学的な特徴をお伝えしていきます。

もう一度、下行結腸の位置を確認しておきましょう。

 

下行結腸は上行結腸と同様に後腹膜に固定されています。

これは、腹腔内に遊離している横行結腸やS状結腸と異なります。

つまり、下行結腸はしっかりと固定されているため、お腹の中でプラプラと動くことがないということです。

 

下行結腸を始めとする大腸では、小腸で吸収しきれなかった水分やビタミン、ミネラルなどを吸収し、その残りカスを便にする作業が行われています。

大腸内でできた便は先へ送られていきますが、便秘の人ではこの流れが滞ります。

便は通常、S状結腸に一時的にためられ、一定量になると直腸に流れ込み排泄されます。

しかし、便秘の人では便が詰まっており、後から来た便がどんどんたまってしまいます。

それでもなんとか絞りだせているうちは良いですが、S状結腸の許容量を超えると、今度は下行結腸に便が溜まり始めてしまいます。

実際、ひどい便秘症の方の左下腹部は、便で硬くなっていることもあるほどです。

 

便があまりにたまっていくと、下行結腸は便で圧迫され、血液の流れが悪くなります。

これが上記した、虚血性大腸炎が便秘によって引き起こされる理由です。

このような事態に陥ってしまわないように、便秘がちな方は適切な水分摂取や食物繊維の摂取を日頃から心がけ、便通を良くしておくようにしましょう。

 

まとめ

下行結腸に痛みを引き起こす病気や、下行結腸の位置などの解剖学的特徴についてお伝えしてきました。

下行結腸で起きやすい病気には、虚血性大腸炎や潰瘍性大腸炎があります。

虚血性大腸炎は、日頃できることとしては便秘がひどくならないように注意しておくことが有効です。

潰瘍性大腸炎は、欧米型の食事の見直しやストレスを適度に発散することを注意しておくと良いです。

大腸は私たちが意識していなくとも、日夜、体のために働いてくれています。

食事や生活習慣を改めることで、そんな腸をいたわることができます。

たまには、下行結腸を始めとする大腸を気にかけてあげると良いかもしれませんね。

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