寛骨の位置を図で解説!わかりやすい画像で確認!

寛骨の位置 図

寛骨【かんこつ】という骨をご存知でしょうか。

骨盤の一部といえば、だいたいの位置がイメージしやすいと思います。

この骨は腸にとても近いところにあり、腸を支えたり、衝撃から守る働きをしています。

 

当然のことですが、腸はそれだけで働いているのではなく、様々な臓器と連携をとり、そして寛骨のような種々の構造物によって支えられています。

なかでも寛骨は、骨盤の外側や下側を形成し、内臓を守るために重要な骨格です。

以下にお見せする寛骨の解剖図を見ると、寛骨が内臓を支え、外力から守るように位置していることがよくお分かりいただけると思います。

 

今回は、腸の近くにある寛骨の位置や構造、働きなどを解剖図を用いてわかりやすくお伝えしていきます。

 

寛骨の位置を図でチェック!

寛骨は骨盤を構成する骨のひとつです。

そこで、まずは骨盤の位置を図で確認してみましょう。

骨盤はこちらです。

骨盤の位置 図

骨盤についてはこちらの記事で、より詳しく解説していますのでよろしければご参照ください。

参照)骨盤について解説!

 

続いて、寛骨を解剖図で確認してみましょう。

寛骨はこちらです。

寛骨 位置 図

寛骨は右の寛骨と左の寛骨があります。

上図では左右一対になっています。

 

寛骨の外側には、寛骨臼[かんこつきゅう]と呼ばれるくぼみがあります。

赤丸のところが寛骨臼です。

寛骨 位置 図 寛骨臼

寛骨臼には、大腿骨の大腿骨頭がはまり込みます。

寛骨臼があることで、強い力が加わったとしても、股関節が脱臼しにくくなっています。

 

左右の寛骨を見てみると、おわんのような形状をとっていることがお分かりになると思います。

この形状によって、その内側に、腸をはじめとした内臓が入るスペースを確保しています。

大切な内臓を下から支え、さらに外からの衝撃から守るために寛骨が存在しているのです。

 

ところで、この寛骨は3つの骨で構成されています。

その3つの骨とは、腸骨、恥骨、坐骨です。

続いては、これらの寛骨を構成する骨について、お伝えしていきます。

 

寛骨は3つの骨でできている

寛骨を構成する腸骨、恥骨、坐骨の位置をそれぞれ、解剖図で確認してみましょう。

まずは、腸骨です。

下図で赤色になっているのが腸骨です。

寛骨 位置 図 腸骨

腸骨については、こちらの記事でより詳しく解説しています。

参照)腸骨について解説!

 

恥骨は青色になっているところです。

寛骨 位置 図 恥骨

恥骨については、こちらの記事でより詳しく解説しています。

参照)恥骨について解説!

 

坐骨は黄色になっているところです。

寛骨 位置 図 坐骨

坐骨については、こちらの記事でより詳しく解説しています。

参照)坐骨について解説!

 

腸骨、恥骨、坐骨の3つの骨が組み合わさって、寛骨を形成しています。

 

ちなみに、骨盤とは、寛骨に加えて、仙骨尾骨を加えたもののことをいいます。

 

寛骨と腸の位置関係

続いて、寛骨と腸の位置関係を解剖図で確認してみましょう。

寛骨位置図 腸

寛骨と密着するように大腸、小腸があるのがお分かりいただけると思います。

腸は8~9mほどもある、長い臓器です。

その位置は、腹膜などによってある程度固定されていますが、それでも起きて活動している間は、立っていても、座っていても、重力に従って下方向への力が働きます。

そんな腸を下から支えているのが、寛骨やそこに付着する骨盤底筋です。

骨盤底筋は、骨盤の下面に張っている筋肉です。

画像で確認してみましょう。

尿漏れ 骨盤底筋

引用)図解入門 よくわかる便秘と腸の基本としくみ

このように、寛骨をはじめとした骨盤と、骨盤底筋によってお椀のような形を作り、内臓を下から支えることができるような構造となっています。

 

寛骨の働き

上記してきた通り、寛骨には、内臓を支え、守る機能があることはお分かりいただけたと思います。

それに加えて、寛骨には別の働きもあります。

寛骨の一部である坐骨は、座るときに主に体を支えるところになります。

「坐骨【ざこつ】」という字は、座る骨と書きますが、この名前は理由があって付いているのです。

実際に座った姿勢を維持するためには、大臀筋が坐骨の上を覆い、”筋肉の座布団”のようになってより安定性を高めています。

 

恥骨は左右の寛骨が結合するところです。

寛骨 位置 図 恥骨結合

この部分は、恥骨結合と呼ばれます。

恥骨結合は、ある時わずかながら動きます。

そのある時とは、出産のときです。

出産時に、胎児が産道を通過しやすくするために、恥骨結合が緩むのです。

それ以外のときには、事故などで大きな外力が加わらない限り、恥骨結合が動くことはほとんどありません。

 

腸骨には、上前腸骨棘【じょうぜんちょうこつきょく】と呼ばれる”でっぱり”があります。

これは、いわゆる「腰骨」と呼ばれるところです。

ベルトを引っ掛ける骨といえば、わかりやすいでしょうか。

体表から触っても、明らかに骨が出ているところなので、ご自分の体で確認することができると思います。

 

まとめ

寛骨の位置を解剖図を用いて、お伝えしてきました。

寛骨が腸骨、坐骨、恥骨でつくられることや、骨盤のどこの骨なのかということが、おわかりいただけたと思います。

骨格は、人が起きて生活していくために必要不可欠です。

もし、骨格がなければふにゃふにゃで、立つことも歩くこともできなくなってしまいます。

寛骨をはじめとした骨盤は、そんな骨格の中心に位置する骨です。

寛骨によって、内臓も正常な働きが行えています。

このように、人の体はそれぞれが独立して働いているのではなく、相互に影響しあっているのです。