上前腸骨棘の位置を図で解説!腰骨と呼ばれる骨盤のでっぱりについて

スポンサーリンク

上前腸骨棘という体の部位をご存知でしょうか。

上前腸骨棘と書いて「じょうぜんちょうこつきょく」と読みます。

これは、骨盤のでっぱりのことです。

よく「腰骨」とも呼ばれ、ズボンのベルトをひっかける時に使われるところです。

ちなみに、腰骨という名前の骨は人体には存在しません。

腰のあたりの骨のことを総称して腰骨と呼ばれています。

 

上前腸骨棘という名前は一般的ではないため、体のことを専門的に勉強している人でなければ普通は知らないと思います。

実は上前腸骨棘には、筋肉が付着しています。

また、大きくでっぱることで骨盤の特徴的な形状を生み出しています。

あの骨盤の形状は、腸などの内臓にとって重要な意味を持ちます。

 

今回は、上前腸骨棘がどこにあり、どのような働きがあるのかについて、解剖図を用いて解説していきます。

 
スポンサーリンク



上前腸骨棘の位置はどこ?解剖図でチェック!

まずは骨盤全体の図を見てみましょう。

上前腸骨棘 位置 図 男性骨盤

 

上前腸骨棘は骨盤のここに位置します。

上前腸骨棘 場所 図 画像

 

横から見ると、上前腸骨棘が飛び出しているのがよくわかると思います。

上前腸骨棘 図 横から

 

棘【とげ】という字が使われている通り、上前腸骨棘はとがったような形をしています。

ここには2つの筋肉が付着します。

大腿筋膜張筋【だいたいきんまくちょうきん】

上前腸骨棘 大腿筋膜張筋 付着

 

縫工筋【ほうこうきん】

上前腸骨棘 縫工筋 付着

 

筋肉ではないですが、鼠径靭帯【そけいじんたい】も付着します。

上前腸骨棘 鼠蹊靭帯

 

上前腸骨棘はでっぱっているので、体表からも確認しやすいです。

体表から見るとこの位置にあります。

上前腸骨棘 位置 体表から

ベルトをひっかける時に使われるところですね。

 

骨盤の形と内臓との関係

もう一度、上図の骨盤の形を思い出してみてください。

骨盤はとても特徴的な形をしています。

筒のようにも見えますし、お椀のようにも見えます。

この形をしているのには理由があります。

骨盤の内側には、腸をはじめとした内臓が含まれています。

その内臓を硬い骨で外側から守るという働きがあります。

そしてもうひとつ、内臓は重力に従って下の方に落ちてきやすいです。

その内臓を骨盤で下支えするという働きもあるのです。

厳密には、骨盤だけで支えるのではなく骨盤底筋という筋肉の力も借りながら内臓を支えています。

骨盤底筋はこちらです。

上前腸骨棘 骨盤底筋

骨盤と内臓との関係を考えて見ると、この特徴的な形をしているのもわかりますね。

 

上前腸骨棘からわかること 骨盤の傾きや棘果長(SMD)について

上前腸骨棘と上後腸骨棘[【じょうごちょうこつきょく】の位置関係を見ることで、骨盤の傾き具合がわかります。

 

上前腸骨棘と上後腸骨棘から引いた平行線の間が、ちょうど指2本ほどであれば骨盤の傾きは中間位にあります。

上前腸骨棘 上後腸骨棘

 

一方で、指2本よりも大きく開いている場合は、前傾した状態、つまり骨盤が前に傾いた状態です。

上前腸骨棘 上後腸骨棘 前傾

 

反対に指2本よりも少ない場合は、後傾した状態、つまり骨盤が後ろに傾いた状態です。

図に統一性がなくて恐縮ですが、骨盤が後傾すると下図のような姿勢となります。

上前腸骨棘 骨盤 後傾

 

また、上前腸骨棘と脛骨の内果の距離を測って、下肢の長さをみる検査法もあります。

これを棘果長【きょっかちょう】と言います。略してSMD【エスエムディー】とも呼ばれます。

上前腸骨棘 棘果長 SMD

このように体の中で、骨がでっぱっているところはランドマークと呼ばれ、長さや体の傾きを検査するのに使われることが多いです。

 

まとめ

上前腸骨棘の位置や働き、骨盤と内臓との関係などについてお伝えしてきました。

上前腸骨棘に大腿筋膜張筋や縫工筋などが付着することや、骨盤の傾き、脚の長さを測る時に指標となることがお分かりいただけたと思います。

上前腸骨棘の痛みが出た時には、剥離骨折の可能性もあります。

整形外科を受診して検査を受けましょう。

 

骨盤は、内臓の働きに欠かすことができない存在です。

体の形や構造は、すべて意味があってそうなっています。

体のことを勉強すると、新しい発見があっておもしろいですよ。

この機会にいろいろ勉強してみてはいかがでしょうか。

 

スポンサーリンク

関連コンテンツ