便秘で悩む方も多いのですが、便通が良すぎて心配されている方も以外と多いです。
「過ぎたるは及ばざるが如し」ということ輪がある通り、何事も「すぎる」のは良くありません。
それは、排便に関しても同じです。
では、具体的に1日に何回以上、排便があると良くないのかというと、一般的には、1日に3回までの排便回数が正常とされています。
ですが、1日に4回排便があったら病気かというと、そうとは言い切れません。
病気かどうかを判定するためには、便通以外の症状の有無や、病院で検査して異常があるかどうかを見極めなければなりません。
そこで今回は、便通が良すぎる方のために、健康なうんちのチェック方法や排便回数についてお伝えします。
便通が良いのは、良いこと悪いこと?
「毎日1回、決まった時間にすっきり排便ができる」という方は、多くの方が健康的なうんちをされています。
便通の良し悪しを考える時、排便の回数や、その時間帯、すっきり感の有無などが一つの参考になります。
冒頭でもお伝えした通り、便通が多すぎるからといってすぐに病気ということはできませんが、それが何らかの、体からのサインとなっている可能性は考えられます。
まずは、正常な排便回数についてお伝えしていきます。
正常な排便回数は、3日に1回から1日に3回まで です。
結構、幅が広いなと思われるのではないでしょうか。
3日に1回未満の排便回数だと便秘と考えられ、1日に3回より多い排便回数だと下痢と考えれます。
しっかり便が出ることは良いことだと考えられがちですが、それも多すぎると良くありません。
また、1日に3回以下の排便回数であったとしても、便が水分を多く含み、下痢になっている場合も、やはり体内で何らかの異常が起こっているサインです。
自分の便が下痢かどうか分からない方に、良い指標があるのでご紹介しておきます。
便の性状を確認するために、病院などでも用いられるブリストルスケールという評価指標があります。
まずは、実際のブリストルスケールを見てみましょう。
ブリストルスケールでは、このように1〜7までの7段階で便の性状を評価します。
1に近づくほど、便は硬いものであることを示し、7に近づくほど便は柔らかく水っぽいものであることを示します。
文字だけでなく、イラストで便の状態を当てはめやすいのが特徴です。
図が付いているので、ブリストルスケールを使えば、「こんな感じのうんち」と人に伝えやすいです。
問診などが必要な病院では、こういった指標が重宝します。
また病院での問診時でなくとも、自分でうんちを観察してみて、ブリストルスケールの6や7のような便であれば、下痢便と判定することができます。
排便回数が1日に3回より多く、下痢便が出ているようであれば、それは何らかの問題が体で起こっていると考えたほうが良いです。
特に、ブリストルスケールで7の水様便が続く場合は、ノロウイルスなどの感染症にかかっていたり、クローン病などの重大な病気が原因となっている可能性もありますので、専門医を受診するようにしましょう。
このように排便回数だけでなく、ブリストルスケールを使って便の性状をチェックすることで、異常か正常か区別するための判断材料が増えます。
ブリストルスケールについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
便通が良すぎる 病気のことはあるのか?
便通が良すぎることと、病気の関連を探るためには、ブリストルスケールに加えて、便の色にも注意すべきです。
通常、健康な便の色は、黄色から茶色です。
この色が変化するときは、体内で何らかの問題が発生していると考えられます。
例えば、便が赤くなっっている時には、大腸炎や大腸ガン、感染症などにかかっていると予想されます。
これらの原因によって、主に腸内で出血が起こり、便が赤くなるのです。
つまり、便が赤くなっている時には、出血が疑われるということです。
痔による出血でも便が赤くなることはありますが、痔もきちんと治療しておかないと、ひどくなることがありますので、きちんと治療しておくべきです。
この他にも、黒色の便は、食道、胃、十二指腸などでの出血が疑われ、白色のときは、胆石などによる胆汁の分泌不足、ロタウイルスへの感染などが疑われます。
緑色のときは、サルモネラ腸炎などを疑います。
このように便色の変化も、病気の有無を見抜く判断材料になります。
産後に便通が良すぎる
産後は体質の変化が起きやすい時期です。
産後に便通が良すぎる人もいるようなので、その原因についても解説します。
産後は、出産で体力を使っていることや、慣れない育児などにより、心身ともにストレスがかかりやすい時期です。
過剰にストレスがかかった時には、自律神経が乱れることがあります。
腸の運動は、自律神経によりコントロールされているため、一度自律神経が乱れると、腸の機能にも異常をきたし、排便回数が急に増えることもあります。
このような自律神経の乱れを正すには、十分な睡眠をとることが必要です。
睡眠によって神経を休ませることができます。
産後は赤ちゃんのお世話もあると思いますが、赤ちゃんの健康のためにも、お母さんの健康が大切です。
適度に家族に頼りながら、体を休めるようにしてください。
また、出産時に切開などをして、排便時にいきめないような方は、便秘にならないように、水分摂取を頻繁に行っている人もいると思います。
水分摂取量が過剰になることでも、便は水っぽくなりやすく、そのために排便が頻回になるということもあります。
水は体にとって確かに重要ですが、摂りすぎるとやはり良くありません。
適量を心がけましょう。
それ以外に注意しておくべきことは、ブリストルスケールによる便の性状や色などです。
これらをチェックしておいて、異常があったり、不安があれば、専門医を受診するようにしましょう。
まとめ
便通が良すぎるとき、病気がどうかを見分けるための方法について解説してきました。
詳しく体を調べるためには、病院で検査を受ける必要があることは言うまでもありませんが、その前段階で自分で健康状態を把握しておくことも大切です。
いざ病院に行ったときにも、症状を正確に伝えることができれば、その分、医師も正確な診断をつけやすくなります。
排便回数や便の性状、色をチェックすることは、日々の健康状態の観察にもなります。
健康管理の一環として、気にかけておくと良いでしょう。