腸の痛みの原因 右腹部、左腹部、中央など部位別に解説

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お腹の痛みは人によってさまざまな表現をされます。

ストレートに「お腹が痛い」という方もいれば「腸が痛い」あるいは「胃が痛い」と言われる方もいます。

痛む位置によっては「わき腹が痛い」や「右下腹部が痛い」と表現されることもあります。

お腹の痛みは、腸をはじめとする内臓に問題を抱えていることが多いです。

軽い便秘や下痢でも痛みは出ますが、中には重大な病気が痛みの原因となっていることもあります。

痛みがあると気にはなるけど、仕事もあるしすぐには病院に行けない、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

そこで今回はお腹や腸の痛みの確認方法や、痛む部位別に原因として考えられる病気について、ご紹介していきます。

 
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お腹の痛みを確認する前にまずは全身状態をチェック

お腹や腸の痛みをチェックする前に、全身状態も見ておく必要があります。

お腹や腸の痛みには、重大な病気が原因になっていることがあります。

その場合には、発熱や嘔気、嘔吐、下血、便秘、下痢などの症状も、一緒に出ているかもしれません。

病院にかかる場合も、お腹や腸の痛みと一緒に出てきている症状は、病気を特定するうえで重要な情報となるので、最初に確認しておきましょう。

 

特に下痢、腹痛とともに発熱、嘔吐がある場合は、何らかの感染症にかかっていることが考えられます。

脱水に注意して水分補給をしながら、専門医の診察を受けて下さい。

便秘、腹痛とともに腹部の張りがある場合は、腸閉塞や腸の狭窄【きょうさく】などが腸の病気が考えられます。この場合も専門医の診察が必要です。

 

お腹や腸の痛みをチェックする方法

お腹や腸の痛みのチェック方法をお伝えしていきます。

①仰向けに寝て、膝を立てます。

腸痛み原因 右腹部、左腹部、中央

膝を立てることでお腹周りの緊張がゆるみ痛みのチェックがしやすくなります。

②お腹を押さえるために下図のように指先をそろえます。

腸の痛み原因 右腹部、左腹部、中央 病院

③人差し指から薬指で張りや痛みのある周辺を押さえます。

全体が張ったような状態で、軽く叩くと響くような音が出る場合は、ガスがたまっていると考えられます。

全体が揺れるように動くときは、脂肪や腹水【ふくすい】がたまっていると考えられます。

 

このとき、腸の痛みとは別に押さえた時の違和感もチェックしておくと良いです。

例えば、下図で示している左下腹部辺りに硬いものを触れる場合は、腸に便がたまっていると考えられます。

内臓図 左下腹部

ここにはS状結腸があり、便秘の方はS状結腸に便がたまるため固いものが触れられます。

腸痛み原因 右腹部、左腹部、中央対応法診断 S状結腸

お腹周りを押さえることで、痛み以外の情報も分かります。

 

④お腹、腸のどの部分が痛いのか確認します。

後述しますが、お腹を7つのブロックに分けて一ヵ所ずつ押さえます。その時の痛みの有無、他の場所と比べて抑えた感触の違いが無いかどうかを確認します。

 

⑤痛みの種類は間欠的【かんけつてき】なものと持続的なもので原因を分けて考えます。

間欠的な痛みとは、一定の時間をおいて、痛くなったり治まったりを繰り返す痛みです。

持続的な痛みとは、痛みが継続して起こるものです。

痛みの種類によって原因となる疾患が違うので、この点も必ず確認しておきます。

 

お腹を7つの部位に分けて痛みをチェックしていきます

お腹を下図の様に7つの部位に分けます。

腸の痛み原因 右腹部、左腹部、中央 

①の部位は右季肋部と呼ばれます。

腸の痛み右季肋部

ここに間欠的な痛みがある場合は、

胆石・胆のう炎、十二指腸潰瘍、尿路結石、帯状疱疹、ポルフィリアなどが原因として考えられます。

ここに持続的な痛みがある場合は、

急性・慢性胆のう炎、胆のうがん、肝膿腫、急性肝炎、肝臓がん、横隔膜下腫瘍、大腸がん、過敏性腸症候群などが原因として考えられます。

 

②の部位は心窩部と呼ばれます。一般的には「みぞおち」と呼ばれます。

腸の痛み心窩部

ここに間欠的な痛みがある場合は、

胃・十二指腸潰瘍、急性胃炎、胃痙攣、虫垂炎初期、胆石発作、過敏性腸症候群などが原因として考えられます。

ここに持続的な痛みがある場合は、

胃・十二指腸潰瘍穿孔、急性膵炎、横隔膜下腫瘍、心筋梗塞、肺炎、胸膜炎などが原因として考えられます。

 

③の部位は左季肋部【ひだりきろくぶ】と呼ばれます。

腸の痛み左季肋部

ここに間欠的な痛みがある場合は、

尿路結石、過敏性腸症候群などが原因として考えられます。

ここに持続的な痛みがある場合は、

脾梗塞、巨大脾腫、過敏性腸症候群、急性膵炎、膵癌、腎盂炎、大腸癌などが原因として考えられます。

 

④の部位は右下腹部と呼ばれます。

腸の痛み右下腹部

ここに間欠的な痛みがある場合は、

急性虫垂炎、クローン病、大腸憩室炎、腸重積、単純性腸潰瘍、尿路結石などが原因として考えられます。

ここに持続的な痛みがある場合は、

急性虫垂炎、盲腸周囲腫瘍(憩室炎)、メッケル憩室炎、クローン病、腸結核、大腸癌、過敏性腸症候群、卵管炎、卵巣嚢腫茎捻転、中間痛、子宮外妊娠、腎下垂、脊椎カリエス、鼠径ヘルニアなどが原因として考えられます。

 

⑤の部位は臍部【さいぶ】と呼ばれます。「へそ」周辺のことですね。

腸の痛み臍部

ここに間欠的な痛みがある場合は、

クローン病、急性腸炎、腸閉塞などが原因として考えられます。

ここに持続的な痛みがある場合は、

急性腸炎、クローン病、腸閉塞、腸内寄生虫などが原因として考えられます。

 

⑥の部位は左下腹部と呼ばれます。

腸の痛み左下腹部

ここに間欠的な痛みがある場合は、

急性大腸炎、過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎、S状結腸軸捻転、尿路結石、大腸憩室炎などが原因として考えられます。

ここに持続的な痛みがある場合は、

急性大腸炎、過敏性腸症候群、大腸癌、潰瘍性大腸炎、虚血性大腸炎、大腸憩室炎、クローン病、卵管炎、卵巣嚢腫茎捻転、中間痛、子宮外妊娠、腎下垂、脊椎カリエス、鼠径ヘルニアなどが原因として考えられます。

 

⑦の部位は下腹部中央と呼ばれます。

腸の痛み下腹部

ここに間欠的な痛みがある場合は、

腸炎、尿路結石、付属器炎、月経困難症などが原因として考えられます。

ここに持続的な痛みがある場合は、

過敏性腸症候群、骨盤腹膜炎、尿閉、妊娠、子宮癌、付属器炎、急性膀胱炎などが原因として考えられます。

 

お腹の部位ごとに痛みの原因をお伝えしてきましたが、痛みが出ている付近にある臓器が原因となることが多いです。

痛みの原因をみると、腸の病気が原因になっているものが多いことがお分かりいただけると思います。

腸は腹部全体につまっているので、腸に問題があった場合、お腹のどの部位でも痛みが出やすいのです。

 

お腹、腸の痛みを病院で検査するとき

お腹や腸の痛みで病院を受診したときは、痛みの部位とともに出ている症状を合わせて検査項目が選択されます。

これは医師の判断によって変わってくるものなので、一概に同じ検査がされるわけではありません。

 

腹痛とともに発熱、下血、便秘、腹部膨満感、下痢などがないかどうか検査、問診、触診などを行います。

検査として一般的には血液検査、内視鏡検査、腹部レントゲン、CT、エコー検査などが行われることが多いです。

お腹や腸の痛みは原因が様々なので、場合によっては検査項目も多くなり原因の特定に時間がかかることもあります。

 

まとめ

お腹や腸の痛みの原因についてお伝えしてきました。

痛みの出る部位によって予測される原因も異なりますが、痛みというのは体からのSOSのサインです。

そのサインを、痛み止めなどを使って無視してはいけません。

専門医にかかって、きちんと原因から治療をしてください。

そして、何が痛みの原因になっているか考えるときに解剖学の知識は欠かせません。

内臓の解剖学についてはこちらの記事をご参照ください。

参照)内臓の位置を図で解説

※痛みの原因を正しく判断するためには専門医の診察が必要です。本記事はあくまでも参考程度にしてください。

参考文献 朝倉均:「腹痛・腹部膨満」、「腸疾患診療のノウハウ」、「medicina」.vol.39、No.5、p756、医学書院、2002

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