便が緑色になる原因とは?うんちが緑色になる5つの理由

うんち緑

朝起きてトイレに行くと、うんちが緑色・・・

なんてことになっていたらびっくりしてしまいますね。

成人の便が緑色になるのは頻繁にはありませんが、乳児の便が緑色になるのは、そう珍しくない現象です。

赤ちゃんのオムツを替えていたらうんちが緑色だった、ということを経験したことがある方は意外と多いのではないでしょうか。

 

便はみなさんご存知の通り、茶色から黄褐色であるのが普通です。

ところが上記のように緑色になることがあります。

 

便が緑色になる原因は、

  1. 便の腸通過時間が異常に早い
  2. 腸の機能が低下している
  3. 腸内細菌が減少している
  4. 便が酸性になっている(赤ちゃんに多い)
  5. 黄疸、溶血性貧血

のどれかです。

これらが引き起こされるのは、腸炎になってしまうことや抗生剤を服用することなどが主な原因です。

また、後で詳しく解説しますが、赤ちゃんのうんちが緑色になるのは、乳酸菌により便が酸性になっているためで、大人に比べるとよく起こる現象です。

 

今回は、便が緑色になる原因とその対策について解説していきます。

 

うんちが緑色になる原因1 便の腸通過時間が異常に早い

便が緑色になってしまう1つ目の原因は、便が腸を通過する時間が早すぎることです。

なぜ、腸を通過する時間が早いと便が緑色になるのでしょうか。

それには、ビリルビンという物質が関係しています。

健康的な便の色は茶色から黄褐色ですが、これはビリルビンによって「色付け」されたものです。

 

ビリルビンは、老化した赤血球が脾臓で破壊されることで作られ、脾臓から肝臓に運ばれます。

肝臓と脾臓の位置関係はこのようになっています。

うんち緑色 肝臓脾臓

骨格も合わせて表示すると、このようになります。

うんち緑色原因 ビリルビン

脾臓と肝臓は血管でつながっています。

 

肝臓からは胆汁として胆嚢に貯蔵され、必要に応じて十二指腸に分泌されます。

十二指腸に分泌されたビリルビンは、腸内に生息している腸内細菌によりウロビリノーゲンとなります。

ウロビリノーゲンが腸内で空気に触れ酸化すると、ステルコビリンという物質に変化し、これが便の色となっています。

このような行程を経て、便の「色付け」が行われいてるのです。

 

ところが、腸炎などにより便が腸内にとどまる時間が著しく短くなった場合、ビリルビンがウロビリノーゲンに変化する時間が不十分になります。

すると、ビリルビンの元々の色で便が排泄されてしまいます。

ビリルビンの色はもともと、黄色なのですが空気に触れると緑色になります。

そのため、排泄されるときには緑色の便が出てきたように見えるのです。

このような理由によって、うんちが緑色になります。

 

うんちが緑色になる原因2 腸の機能が低下している

腸の機能が低下しているときにも、うんちが緑色になることがあります。

前述のビリルビンは十二指腸から胆汁として分泌された後に、小腸や大腸で再び吸収されます。

再吸収されたビリルビンは一部は、腎臓を通して尿となり排泄されます。

 

ここで問題となるのは、腸の機能が低下していると、このビリルビンの再吸収が行われにくくなることです。

再吸収されなかった大量のビリルビンが大腸内に押し寄せ、腸内細菌によるビリルビンからウロビリノーゲンへの変化が追いつかないまま、排泄されることになります。

こうなると、大量に排泄されることとなったビリルビンが空気に触れて、緑色に変化します。

その結果、うんちが緑色になって排泄されるのです。

 

うんちが緑色になる原因3 腸内細菌が減少している

ビリルビンの体内での変化をもう一度まとめてみましょう。

肝臓、胆嚢を経て十二指腸からビリルビンを分泌

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腸内細菌によってウロビリノーゲンに変化

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空気と触れ、酸化することでステルコビリンに変化

という流れになります。

 

ここで注目していただきたいのは、腸内細菌です。

腸内細菌は主に大腸内に生息しており、その数は100〜1000兆匹にも及ぶとされています。

 

その腸内細菌が減少していても、ビリルビンをウロビリノーゲンに変化させることができなくなってしまうのです。

その結果、酸化して緑色になったビリルビンが便の「色付け」を行い、緑色のうんちとなるのです。

 

腸内細菌が減少する原因としては、抗菌薬の長期に渡る使用や、腸内環境の悪化などが考えられます。

薬の使用は医師の指示に従い、異常があればすぐに主治医に相談するようにしましょう。

また、日頃から乳酸菌や食物繊維を積極的に摂り、腸内環境を良好に保っておく工夫も必要です。

 

うんちが緑色になる原因4 便が酸性になっている(赤ちゃんに多い)

冒頭でもお伝えした通り、赤ちゃんのうんちは緑色になりやすいです。

赤ちゃんのうんちはビフィズス菌などの善玉菌が多く含まれています。

実は、ビフィズス菌などの善玉菌が増えると、腸内は酸性に傾きます。

腸内が善玉菌によって酸性に傾くことは良い反応なのですが、ビリルビンが腸内ですぐに酸化して緑色のうんちになりやすいです。

 

また赤ちゃんの場合、排泄した便がオムツの中で空気に触れているうちに酸化して緑色のうんちになる場合もあります。

このような理由で、赤ちゃんのうんちは緑色になりやすいのです。

 

赤ちゃんのうんちで注意しなければならないのは、赤いうんちや真っ黒なうんちです。

これらのうんちは内臓に出血があるサインとなります。

腸閉塞などが原因となりますので、救急で病院を受診するようにしましょう。

 

ここまでの参考文献)

 

うんちが緑色になる原因5 黄疸、溶血性貧血

書籍で調べた中では、黄疸や溶血性貧血で便が緑色になるという記載は、私が調べた範囲では見つけられませんでした。

しかし、インターネット上には、黄疸で便が緑色になるという情報がありました。

参照)

 

また、溶血性貧血についてもインターネット上では、便が緑色になる原因となるとの情報がありました。

参照)https://www.karada-navi.com/elimination/constipation/elimination-mechanism/10015/

 

その理由として、

黄疸や溶血性貧血の時には、体内のビリルビン量が増える。

すると、腸内細菌によるウロビリノーゲンへの変化が追いつかず、酸化したビリルビンが緑色となって、便を緑色に変化させることになる。

と考えると、理屈の上では確かに緑色になるのかもしれません。

 

しかし、医学の教科書を調べた限りそういった記載が見つけられなかったので、このあたりは少々あいまいです。

参考程度にしておいてください。

 

いづれにしても、黄疸も溶血性貧血もきちんとした治療が必要です。

目の白色のところや皮膚が普段よりも黄色くなっていたり、動悸や息切れなどの気になる症状がある場合は、専門医を受診するようにしましょう。

 

まとめ

便が緑色になる原因について解説してきました。

・便の腸通過時間が異常に早い

・腸の機能が低下している

・腸内細菌が減少している

・便が酸性になっている(赤ちゃんに多い)

・黄疸、溶血性貧血

これらが緑色の便の原因として考えられます。

トイレで排泄物が緑色になっていると驚くと思います。

便は体からの「お便り」です。

「びっくりした」で終わらせず、その後も便の色の変化に注意を払うようにしてください。

緑色の便の原因には、重大な病気が潜んでいることもあるので、気になる症状がある場合は、早めに病院を受診するようにしましょう。